「大麻合法化」米国15州やタイで 日本人が現地で使用したら

   海外のあちこちで大麻が合法になりつつある。自宅で栽培したり、公共の場所での吸引できたりするところもある。日本では大麻取締法で厳しく規制されているが、日本人が現地で使用すること可能なのだろうか。

ニューヨーク州では昨年、21歳以上を対象に「娯楽としての大麻」の使用が合法化
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市場が急成長

   TBSは2022年6月4日、大麻の規制が大幅に緩和されたニューヨークの最新状況をレポートした。見本市が開かれ、大麻入りのクッキーやドッグフードが売られている。多くの業者が様々な商品を出品してにぎわっている。日本ではありえない光景だ。

   ニューヨーク州では昨年、21歳以上を対象に「娯楽としての大麻」の使用が合法化された。所持や吸引、自宅での栽培などが認められ、今後は、許可を得た小売店での販売も始まる見通しだ。見本市には「ビジネスチャンス」を逃すまいと多くのメーカーが出展した。

   Forbes JAPANによると、21年春段階で、米国では嗜好品としての大麻が15の州で合法化されている。関連商品を扱う大麻市場は急成長しており、25年の合法大麻の総売上は300億ドル近くに達する見込みだという。

タイは「アジア初」に

   アジアではタイが規制を大幅に緩和した。CNNによると、アジアの国として初めて、6月9日から大麻が合法化された。

   マリフアナや大麻製品の栽培や取引、疾病治療のための大麻草利用は犯罪ではなくなった。飲食店でも大麻入りの食事や飲料を出すことができるが、気分を高揚させるテトラヒドロカンナビノール(THC)という成分の含有量は0.2%未満とすることが条件だ。ただし、娯楽目的で大麻を吸引した場合は厳罰に処せられる。

   共同通信によると、タイでは19年に大麻の医療目的使用を認める法改正を行い、その後も食品などの分野で規制緩和を推進。大麻成分を含む食品や化粧品などが流通しているという。

連邦法では大麻所持が禁止

   合法化された海外で、日本人が大麻を利用することはできるのか。在ニューヨーク日本国総領事館は4月21日、以下のように注意を喚起している。

「日本の大麻取締法において、国外で大麻をみだりに、栽培したり、所持したり、譲り受けたり、譲り渡したりした場合などに罰する規定があり、日本国外であっても適用される場合があります」
「在留邦人の皆様におかれましては、大麻が合法化されている地域においても決して手を出さないよう御注意ください」
「厚生労働省HPによれば、近年の薬物事犯の検挙者数は、覚醒剤及び大麻が大半をしめ、大麻取締法による検挙者数は年々増えています」
「大麻の危険性が他のドラッグよりも低いとする国や医療用に使用を認めている国がありますが、長期的な使用によって、呼吸器系、循環器系、中枢神経系、消化器系などといった体のメカニズムに大きな悪影響を及ぼす可能性も指摘されており、大麻に手を出すことは危険です」

   さらに、米国の連邦法では今も、大麻所持が禁止となっているため、特定の州内では合法であっても州外に持ち出すことはできない、と釘を刺している。

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