「1円スマホ」転売して荒稼ぎの手口 楽天モバイル0円終了でどうなる
MNP(電話番号を維持しての乗り換え)を条件として値引きを受けられるスマートフォンを購入し、転売する。こうしてもうける方法を紹介するウェブサイトが、複数ある。
なかには、まず「楽天モバイル」への契約を勧めるサイトも。契約には手数料がかからず、月々のデータ利用量によっては「0円」で回線を維持できるからだ。そこからMNPすれば、安く済む。しかし、2022年7月1日からは新プランに移行するため、月額基本料0円での利用はできなくなる。
家電量販店で「一括1円」
楽天モバイルは、4月11日に総務省が実施した「競争ルールの検証に関するWG(第28回)」の中で、現状「新規電話番号で契約し短期解約する場合においてMNP転出比率が非常に多い」と問題提起をしていた。
その多くは、他社へのMNP転出時に得られる端末割引が目的だと考えられると指摘。「過度な端末値引を各社が控えることで、端末値引目的のMNPを抑制できるのでは」と「提案」した。
それから1か月余り、5月中旬になってもMNPを条件とした端末大幅値引きキャンペーンは、携帯電話会社の販売代理店で引き続き行われている。
記者は5月19日に東京・新宿区内の大手家電量販店3店を訪れた。キャリア代理店のコーナーを見ると、A店では「iPhone SE」が「実質23円」で、B店では「Google Pixel」が「負担額1円」で、いずれも他社からの乗り換えを条件として販売されていた。C店の場合、「BALMUDA Phone」が新規契約(一定の年齢制限付き)や乗り換えを条件として「一括1円」で売られていた。
楽天モバイルの見解は
プラン改定により、短期解約を割引を目的にMNP転出をするユーザーの行動にストップはかかるか。楽天モバイル広報に認識を取材した。7月1日以降、月額料金0円では回線を維持できなくなるために、「一定数は減少すると考えております」と回答した。
ただ、短期解約・MNP転出の誘発要因の一部は、乗り換えを条件とした高額端末の過度な値引きの存在であることをふまえ、「関係各社による取り組みが必要」と改めて考えを示した。
一方で、不正契約などを防ぐための取り組みも実施しているという。同一ユーザーによる複数回線の申し込みや、同一住所で異なる名義のユーザーが複数回線を申し込んだケースでは「当社からお客様へお問い合わせをさせていただく場合」があると話した。