「ドコモショップ」2025年までに3割減へ 高齢者はどこで相談すれば
NTTドコモが携帯電話販売店「ドコモショップ」を2025年度までに3割削減する方針だと、複数のメディアが2022年5月19日に報じた。
電気通信事業者協会(TCA)によると、2022年3月時点でのドコモの携帯電話契約数は、8475万2400件と業界最多。単純計算で全国民の3分の2がドコモと契約していることになる。当然、高齢の人も多いだろう。もしショップ数が大幅に減ってしまったら、こうした人やスマートフォン(スマホ)に不慣れな顧客へのケアが不十分にならないだろうか。
「シニアサポート」どうなる
報道によるとドコモは、インターネット手続きの普及により来店客が減っているため店舗を閉鎖してコストを削減するという。全国約2300店舗のうち、約700店舗を削減対象にする。高齢者向けの対応は、テレビ電話で店員に相談できる環境を整えていくという。
NTTドコモ「モバイル社会研究所」の、「モバイル社会白書Web版」によると、スマホの操作方法の調べ方について、「身近な人に聞く」以外の方法として、「販売店に来店して問い合わせる」が一番多い結果となった。ショップのニーズの高さが分かる。
ドコモは「シニアサポート」として、ドコモショップでスマホの操作やアプリの便利な利用方法を教える「ドコモスマホ教室」を実施している。仮にショップを大量閉鎖すれば、この教室自体も減るだろう。
J-CATSトレンドがドコモに取材すると、ショップ3割削減という報道については、そのように決定した事実はないと書面で回答した。一方で、来店者数が減少傾向で、前年比7割前後で推移していることや、オンライン手続き件数が携帯電話料金プラン「ahamo」開始以降、3 割ほど増えていることを理由に挙げて、次のように答えた。
「中期的=2025年度にドコモショップの運営稼働が効率化され、店舗数は3 割程度減少していくと見込んでいます」
「オンライン接客」を今後構築
では、ショップ閉鎖に伴い、高齢者やスマホに不慣れな顧客へのケアは不十分にならないのか。質問すると、「商圏ごとに販売店舗網の最適化を図り、必要な場所へは配置されるよう検討しています」という。
合わせて、実店舗利用を重視する利用者を含め、「オンラインを利用したコンサルティング接客の環境を今後構築」していくと説明した。