iPhoneに来年USB-C搭載説 今年発表される機種の売れ行きに影響は

   「iPhone」にいずれ「USB-C」端子が採用されるとのうわさが浮上している。現行機種では米アップル開発の「Lightning」規格を採用。他のスマートフォンやパソコンで採用されている「USB-C」に比べ、互換性のある機器が少なく、批判がたびたび出ている。

   事実であれば、変更を歓迎するユーザーは少なくないだろう。実現の可能性を探った。

iPhoneからLightning端子がなくなる日は(写真はイメージ)
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過去に何度も流れたうわさ

   米ブルームバーグは5月14日付記事で、アップルがiPhoneの充電ポートをUSB-Cに置き換えるテストを実施中だと関係者の話として紹介した。ただ、製品に実装されるとしても、2023年まで実現しない見通しだと伝えている。

   同じような情報を、アナリストのミンチー・クオ(郭明錤)氏が5月11日にツイッター上に投稿した。発表前のアップル機器の製品内容について、事前に言い当てたことのある人物だ。同氏の「最新の調査」によると、2023年下半期に発売されるiPhoneは「Lightningポートを廃止し、USB-Cポートに切り替える(編集部訳)」という。

   過去にも、iPhoneにUSB-C搭載を予想する報道がインターネット上に流れた。

   例えば2017年2月28日付(現地時間)の米ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)記事。アップルの計画に詳しい複数の人物の話として、同年に発売を控えるiPhoneにはLightning端子の代わりにUSB-Cポートが導入されると報じた。

   2018年6月12日には、台湾のデジタルニュースメディア「DIJITIMES asia」が集積回路の販売に携わる情報筋の話として、2019年のiPhoneにはUSB-Cが採用される可能性があると伝えた。

   しかし、今に至るまでLightningが採用され続けている。

欧州で議論されている法案

   iPhoneの将来的なUSB-C導入説を補強する材料が、ひとつある。欧州で発売されるスマートフォンなど小型電子機器について、USB-Cポートを搭載するよう求める法案だ。欧州連合(EU)内の欧州議会で議論されている。

   同議会の22年4月20日付発表によると、5月の本会議で草案が承認された場合は、法案の最終的な形についてEU各国の政府との協議を開始するという。立法化されれば、欧州で発売されるiPhoneにはいずれUSB-Cが搭載されることになる。

   気になるのが、その影響だ。ミンチー・クオ氏の話のように、2023年以降のiPhoneでUSB-C導入への期待感が高まれば、それより前に発売されるiPhoneに「買い控え」は起きないだろうか。

   2017年5月3日のロイター記事(日本語版、東洋経済オンライン内に掲載)は、アップルの17年度第2四半期(17年1~3月)決算を報じている。iPhoneの販売台数は5076万台で、前年同期の5119万台から「予想外に減少」したという。

   当時は初代iPhoneが発売された2007年から10年が経過。「10周年記念モデル」の投入が期待されており、「消費者が買い控えに出ている兆候」があると同記事は分析した。また米調査会社フォレスター・リサーチのアナリスト、ジェームズ・マクイビー氏は、スマホ需要の弱まりや「新モデルの大幅な刷新期待」が販売減の背景にあると推測したという。

   状況は異なるが、長年要望の声が挙がっていたUSB-C搭載が「いつ」になるかで、「それ以前」のモデルの売れ行きが変わる可能性はありそうだ。

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