iPhoneの問い合わせが「アイホン」に 「よくあるご質問」とその答え

「iPhone(アイフォーン)の調子が悪いです」

   企業サイトの「よくある質問」ページに掲載された、この内容。だが、メーカーのアップルではない。インターホン大手メーカーの「アイホン」(名古屋市)の公式サイトだ。iPhoneに似た企業名だが、全く別。それにしても、わざわざ他社製品の質問をなぜ載せたのか、そして、その回答は。

インターホン大手のアイホンになぜ、「iPhone」の質問?
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「アイホン」と「iPhone」で「友好的合意」

   「アイホン」という社名は、1959年から使われている。創業は1948年で、「東海音響電気研究所」としてスタートした。

   1952年、「愛興高声電話機」に社名を変更し、インターホン「テータホン」を発売開始した。この商品を54年に「アイホン」と改称。そして59年、合資会社から株式会社に改組して社名も「アイホン」にしたのだ。

   60年以上、「アイホン」の名で親しまれている会社だ。一方、「iPhone」が誕生したのは2007年、日本での登場は翌08年と20年に満たない。ただ、その名前の類似性から商標権をめぐって双方が話し合った過去がある。

   「ITmedia」の2007年8月21日公開記事には、「アイホンは、国内では『アイホン』、米国をふくむ海外では『AIPHONE』の商標権を取得して製品を販売している。6月のiPhone発売以降、報道を見た消費者などから同社に問い合わせが相次いだといい、混乱を防ぐ目的で、両社で協議していることを発表した」と経緯が説明されている。

   その半年後の2008年3月24日、アイホンはリリースを発表。「『iPhone』(アイフォーン)の商標に関し、弊社が保有する国内および海外の商標権について交渉を行ってきました」としたうえで、「日本国内においては弊社が Apple 社に使用許諾を、日本以外の地域においては両社の商標が共存することで友好的な合意に至りました」と説明している。

100件程度の問い合わせがある

   さて、冒頭の「iPhone(アイフォーン)の調子が悪いです」の問い合わせに、アイホンはどう答えているのか。

「弊社はインターホンを製造・販売しております、アイホン(株)です。お問合せはアップル社様もしくは販売店様にお願いします」

   わざわざこのような質問を掲載している経緯について、J-CASTトレンドはアイホンに取材した。担当者の答えは、こうだ。

「iPhoneについての電話での問い合わせが多くございました。iPhoneユーザーの人が間違えることなく、アップル社に問い合わせいただくために、事前にこちらから掲載していたのです」

   なお、この質問と回答は2020年3月30日に掲載したという。また、2021年度はiPhoneに関して100件程度の問い合わせがあったと明かした。

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