「ワールド会館」閉鎖のうわさ 東京・中野の超ディープなビルを確かめた
東京・中野駅の北側、飲食店街を4分ほど歩いたところにある「ワールド会館」をご存じだろうか。古びた6角形の外壁が、ハニカム構造のように連なったデザイン。バーやスナックなど、入居する10軒以上の店の看板が正面を彩り、ディープな雰囲気を醸す。
香港にかつて存在した巨大なスラム街「九龍城砦」の外観になぞらえて、「中野の九龍城」とも呼ばれるワールド会館。近ごろ「閉鎖」したとのうわさが、ツイッターで浮上している。
入り口はパーティションに覆われ
旅行情報を発信するメディア「旅色LIKES」2019年8月28付記事によると、ワールド会館はすぐ隣の商業施設「中野ブロードウェイ」が完成した翌年の1971年に竣工し、ホテルと飲食店によって構成されてきた。
看板を掲げている店のうち、何軒が今も営業しているかは、調べても明確にはわからない。建物の構造、例えば階数も外観からは判然としないが、地上4階まで存在するようには見える。「旅色LIKES」記事時点では「立入れる範囲は4店舗が営業中の1階と2階、そして地下のみ」だったとのこと。
インターネット上では2014年ごろ、同ビルが取り壊しや閉館の危機にあるとの話が出た。その後もテナントの営業は続いていたが、22年3月下旬ごろから「ワールド会館が閉鎖されている」「封鎖された」との投稿をツイッター上で見かけるようになった。
記者は5月8日夜、ワールド会館へ立ち寄った。すると、1階の入口部分は金属らしきパーティションに覆われ、中に入れなかった。内部に店の照明がともっている様子もない。解体工事に関する貼り紙は、見た限りでは確認できなかった。
ビル解体が決定か
ワールド会館に2013年から入居していた「アニソンDJ-club雷神」という店舗は、21年7月に東京・秋葉原に移転し、11月に再オープン。改装費用をまかなうため、7月にクラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」上で支援を募った。
同サイトでの移転背景の説明によると、「ビルの所有者変更に伴い再開発及び解体が決定」したのだという。