値上げラッシュは「ネコグッズ」も 4月から「トイレ」にペットフード
値上げの波が、ペット用品にも押し寄せている。例えば、ネコの排泄物を受けるための砂、いわゆる「ネコ砂」。2022年3月に、ライオン商事が「ニオイをとる砂」シリーズについて、4月1日出荷分から価格改定すると発表した。
ユニ・チャーム(東京都港区)が販売する、ネコ用トイレ「デオトイレ」シリーズも、ツイッターほかインターネット情報によれば値上がりしている。公式サイトを見る限り、発表資料はないようだ。同社広報を取材した。
機能を高めた分をコストに反映
広報によると、「デオトイレ」製品の一部を22年4月1日以降、値上げしている。
ただ価格の上昇は、基本的には「機能を向上(リニューアル)させた分、コストに反映している」ためだという。原材料費の高騰も理由の一つだが、単なる「価格引き上げ」の考えはないと話す。値上げ製品の具体名や、値上げ幅は「答えられない」が、あくまで、既存の利用者に「買っていただける範囲で」改定していると説明した。
なおライオン商事は、出荷価格の改定理由として、「安定した商品供給を行うため」と発表資料で明かしている。経年の原材料価格、原油価格、輸送価格、人件費の高騰や環境・安全対応への必要性に伴う、度重なる設備投資の影響を受けてのことだ。
海外ブランドに多い
ネコ砂以外に、ペットフードも値上げが激しいという。オンライン販売を中心に手掛ける、ドッグフード・キャットフード専門店の従業員が、匿名を条件に取材に応じた。
特徴として、海外ブランドの価格改定が多いという。インターネットで「ペットフード 価格改定」と検索すると、例えば、米国の食料品会社マースの日本法人「マース ジャパン リミテッド」が22年1月に、「ニュートロ」ブランドのドライ製品について、価格改定を発表しているのが見つかる。
「今年に入って、5月上旬までに当店取扱いの16ブランドが値上げ。当店では一旦落ち着きましたが、大手の販売店では、もっとあるかもしれません」(前出の従業員)
価格改定の情報が、短期間のうちに大量に入ってきたのは「ここ数年無かった」。告知や、価格改定にまつわる作業が大変だったそうだ。