「コロナ保険」月々の支払い3倍に 感染者急増で「保険料値上げ」

   新型コロナウイルス感染が診断すると保険金がおりる「コロナ保険」。保険料の高騰や販売停止が生じているとして、松野博一官房長官は2022年4月4日の会見で「各保険会社において、顧客に対する丁寧な説明をしていただくことが重要」と指摘した。

   2022年1月ごろから4月にかけて、新型コロナウイルスの感染者は全国的に急増した。「コロナ保険」は、この感染拡大の影響を受けたようだ。

PayPayからでも加入できる「コロナ保険」
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保険金請求が短期間に予想を超え

   少額の短期保険を提供しているjustInCase(東京都中央区)は4月1日、「コロナ助け合い保険」の販売を3月31日に停止したと発表。新型コロナ感染を含め、ケガや病気で1泊入院した場合に10万円が給付される保険商品で、毎月の保険料は「510円から」となっていた。

   停止は、「オミクロン株の爆発的な感染拡大によりご契約件数が急増するとともに、保険金請求も短期間のうちに予想を遥かに上回る額となったことが背景」と説明している。同社の2月14日発表のグラフによると、21年末から22年1月にかけ、オミクロン株の流行に伴い契約件数は約67倍増加していた。この時は企業努力として「保険料据え置き」を決断したと伝えていた。

   損害保険ジャパン(損保ジャパン)は、キャッシュレス決済アプリ「PayPay」から加入できる「コロナお見舞い金」を提供している。加入者が医師に新型コロナ感染と診断されれば、見舞金として5万円が支払われる。2月10日、同日からの保険料の一律引き上げを発表。「直近の感染状況等を踏まえ」との理由が述べられている。

   保険料は、保険期間3か月のプラン500円が改定後は1500円に、1年間のプランは2000円が6000円と、いずれも3倍になった。ただし前日までに加入していた人の保険料に影響はない。また自動で更新される保険ではないため「いつの間にか支払う保険料が上がっていた」ということにはならない。

   2月10日付朝日新聞によると、損保ジャパンは取材に対し「加入者数が想定以上に増え、支払い保険金が予想以上に膨らむ可能性がある」と値上げの理由を説明したという。

保険料が3か月2万円もありえる?

   第一生命の子会社「第一スマート少額短期保険」の「コロナminiサポほけん」。新型コロナ感染症や、エボラ出血熱といった「1類~3類」の感染症にかかったと医師に診断されると、「特定感染症一時金」10万円が支払われる。

   保険料は1月時点で3か月あたり890円だったが、4月1日の発表によると、2月加入分は3840円に、3月加入分は8090円に上昇。4月1日からの保険料は、7530円に下がっている。

   2021年10月には、感染が急拡大した場合には保険金を契約者に確実に支払うため、新規販売を全面停止することになりかねないと説明していた。この事態を避けるため、感染状況を踏まえ、新規申し込み・更新時の保険料は今後890円〜8090円の幅で変動し得ると公表していた。3月加入分の「8090円」は、この時発表していた数字の上限だったわけだ。

   22年4月1日発表では、オミクロン株の出現などを踏まえ、今度はこの保険料変動幅が870円〜2万円になると告知した。

   なお保険期間の満了時、契約者が更新しない旨を申し出ない限りは、満了日の翌日に契約が更新・継続されるという。保険料改定後に知らず知らずのうちに更新され、高額の料金を支払っていた、という事態にならないよう注意が必要だろう。

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