納豆に砂糖を入れたらおいしいの? 小さじ1杯だけでビビるほど激変

   3月10日、語呂合わせで「砂糖(さとう)の日」にふと思い立った。

「納豆に砂糖をかけて食べたら、ウマいのか」
右の砂糖入り納豆の方が、粘り気が強い(画像1)
ごはんの甘みとの相性が良い「砂糖入り納豆」
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いつまでも糸を引く

   早速試してみよう。市販のパック納豆を2つ用意した。色やにおい、粘り気などに差が出ないかを確かめるため、一つは別添えのしょうゆとからしを入れる。調味料以外は全て同じ条件だ。

   砂糖を小さじ1入れ、納豆の混ぜ棒「なっとうの友」を使って100回混ぜる。


どんな味になるのか想像がつかず、一瞬抵抗があった

   20回混ぜたところで、手に違和感を覚えた。いつもより混ぜにくい。納豆が白く粘って、強くまとわりついてくるためだ。


力を入れて一生懸命混ぜる必要がある

   日常的に納豆を食べているが、100回混ぜて「やっと終わった」と思ったのは初めて。さらには、混ぜ棒を引き抜こうとしてもいつまでも糸を引いてしまい、なかなか切れずにひと苦労だった。


100回混ぜ終えた状態(左:しょうゆ・からし入り、右:砂糖入り)

   100回混ぜ終えた後の差は一目瞭然だ。砂糖入りの方が白く粘っている。甘い香りはしないが、納豆独特のにおいが心なしか薄い。混ぜ棒で引っ張り上げてみると、重みを感じるほどまとわりついてきた(画像1)。

   いざ実食。砂糖入り納豆は、「甘いが、甘すぎない」。コメ粒の甘みとの相性がよく、意外にもマッチしている。口当たりはふんわり、まろやかだ。途中で、しょうゆとからしを足して味変すると、コクが増した。記者は「砂糖だけでも十分おいしい」と感じたが、豆の味を強く味わいたい人は物足りないかもしれない。

「保水力」がカギ

   なぜ砂糖を納豆に加えると、粘り気が増すのか。砂糖関連商品の製造販売を手がける三井製糖(東京都中央区)に取材した。

   広報によると、砂糖が持つ「保水力」に理由があるという。「納豆が含んでいる水分を砂糖が抱え込むため、粘り気が強くなる」と考えられるのだ。

   砂糖にはさまざまな調理効果がある。同社公式サイトの「こんなにすごい!お砂糖の調理効果」ページを見ると、酸化防止、防腐効果、発酵促進などが紹介されている。肉に砂糖を揉み込んでおくと柔らかくなったり、キメが細かく、消えにくい生クリーム泡作りに役立ったりしている。甘くするだけが砂糖の役割ではないようだ。

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