「iPhone SE3」に進化なし? USB-C復活せず、見た目も変化乏しく
米アップルは第3世代の「iPhone SE」(以下SE3)を発表した。iPhoneの廉価版タイプ「SE」シリーズの最新機で、2022年3月18日に発売予定で、11日から予約を受け付ける。
2020年4月発売の第2世代機「SE2」から、約2年ぶりの新型。一新されたスペックを見ると、前世代とあまり変わっていない!?
「Lightning」またも
まず外見の変化はほとんどない。「SE2」は4.7インチのディスプレーを搭載し、本体は幅67.3mm(ミリメートル)、高さ138.4mm、厚さ7.3mm、重量148g(グラム)。「SE3」では重量が144gとわずかに軽くなった程度で、大きさ・画面サイズは同じだ。解像度は1334x750ピクセルの326ppi(画素密度)で、前世代機から据え置いている。
外部機器との有線接続規格は、SE2と同じくアップル独自の「Lightningコネクタ」を採用。タブレット端末「iPad mini」などに搭載されている「USB-C」は導入されなかった。
保存可能なデータ容量「64GB」「128GB「256GB」も、以前と同じ。さらに、「ホームボタン」と指紋認証機能「Touch ID」は続投となった。ハード面で目新しい変化がなかったことから、インターネット掲示板では冒頭のように「SE2とほぼ同じ」との皮肉めいた意見があった。
もちろん、性能などの部分で変更点はある。端末の処理能力に関わる「チップ」は、上級モデルの「iPhone 13」と同じ「A15 Bionicチップ」を搭載。また、モバイルデータ通信では5G(第5世代移動通信システム)に対応し、より高速な回線を利用できるようになった。
バッテリーも改善された。連続で音楽を再生可能な最大時間は40時間(SE2)から50時間(SE3)に、ビデオ再生では13時間から15時間に伸びた。
価格は、高額に。アップル公式サイトのSE2は21年9月時点で、64GBモデルが4万9800円(税込・以下同)、128GBが5万5800円、256GBは販売を終了していた。一方、SE3は64GBが5万7800円、128GBが6万3800円、256GBが7万6800円だ。
「ホームボタン派」には朗報
ホームボタンと「Touch ID」の続投は、ツイッター上で賛否両論だ。否定的な声の理由としては、「ホームボタンのスペースを設けるよりも画面を大きくしてほしい」「ホームボタンのない機種に慣れたので、邪魔」「物理ボタンは疲れる」といった意見がみられる。「iPhone 12」「13」ではホームボタンは廃止され、本体前側はほぼ全面がディスプレーとなっている。
一方、SE3への反応を調べた限り8割ほどはホームボタンに好意的。黎明期のiPhoneから採用されていることもあってか「これが落ち着く」「押すだけでホームに戻れるのは便利」といった声が多い。ボタンの存在を理由に購入を検討する人もいた。アップル公式サイトはSE3の紹介ページで「ホームボタン。不動の人気者です」とその存在をアピールしている。