「VR酔い」なんとかしたい ガム、氷、酔い止め...最も効きそうだったのは

   【J子が行く】J-CASTトレンド記者「J子」とその同僚たちが、体を張って「やってみた、食べてみた、行ってみた」をリポートします。

   はじめまして、私は「VR記者カスマル」といいます!VRやメタバース(仮想空間)の魅力を取材し、世に伝えるべく爆誕しました。

   ......と、勢いよく自己紹介してみたものの、VR歴は1か月にも満たない初心者だ。実は早速、ひとつの壁に当たった。「VR酔い」だ。車の後部座席で本を読んでいると気持ち悪くなる、あの感覚。VR記者カスマルも、かなりVR酔いしやすい。特に睡眠不足の時は、かなり耐性が落ちる。少しでも軽減する方法がないか、試してみた。

どうも、VR記者カスマルです!
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3D酔い・ゲーム酔いの仕組み

   大正製薬公式サイトによると、「ゲーム酔いは、乗り物酔い(動揺病)と一部同様のメカニズムで生じる」と考えられているらしい。

   人は通常、自分の位置や揺れといった空間情報を、視覚・「前庭器」(三半規管など)・そして筋肉や関節で感知する。これらの情報を脳が統合し、これまでに経験・学習したパターンに当てはめて空間を認識するのだという。

   しかしゲームの3D映像は「視覚からの情報のみ」で、筋肉や三半規管では感知しない。普段乗り物で経験する「パターン」とは異なるために、脳が混乱して自律神経を乱し、乗り物酔いのような「ゲーム酔い」の症状を引き起こすとのこと。

   さらに、VRでは頭に装着したヘッドセットを動かすと景色が動くが、動きと画面との間にタイムラグが発生することが多く、これも酔いの原因になり得るとのこと。さあ、どうやって酔い対策をしよう。

1分で酔うVR記者

   目についたのは、ガムを噛みながらだとVR酔いが緩和されるかもしれない、という情報だ。学術論文などが掲載されるサイト「Springer Link」に、人間工学を研究しているMara Kaufeld氏らのグループの研究結果が掲載されている。

   研究では被験者を、ペパーミントガムを噛む、ショウガのガムを噛む、ガムを噛まない、という3グループに分けた。そのうえでヘリコプターの飛行を体験できるVRヘッドセットを装着させた。実験結果は、酔いを軽減するのにガムが効果だと示したという。ガムの味や、頭の骨の後方下部にある「乳様突起」が酔いの軽減に影響している可能性があるとのこと。

   VR記者カスマルも試してみよう。コントローラーを使い、メタバースプラットフォーム「VR Chat」を走り回ってみる。色々な仮想世界に行き、歩き回って他のユーザーと音声でのチャットを楽しめるサービスだ。

   うわあ、これだこれ!体は静止しているはずなのに、視界の自分は走り回っているこの感覚。このズレが脳にとっては混乱要素なのか、ものの1分程度で気分が悪くなってくる。

   少し休憩し、刺激強めのミントフレーバーのガムを用意した。口に放り込み、くしゃっと噛んでいく。ミントのスーッとした清涼感と香りが鼻に抜ける。再チャレンジだ!


ミントのガムを用意(写真はイメージ)
「あ、確かに酔わないかも」

   走り回っても、とりあえずは平気!飛んだり跳ねたりと、メタバースを楽しむ。しかし5分ほどたつと、なんだか冷や汗がじんわりと額に浮かんできた。

「あれ?暖房効きすぎたかな??」

   気づかないふりをしても体は正直だ。計10分ほど、ガムの味が薄れたころにはすっかり、いつも通り気持ち悪くなってきた。げろげろ?・・・と吐くまではいかないが、とにかく横になりたい。何もしないよりは大分酔いは軽減されたが、限度があるようだ。

効き目はないかと思ったら

   ガムと並んで、「氷」を口に含むと酔いに効果的という情報も、複数サイトで見かける。なんでも、氷の刺激が自律神経を整えてくれるのだという。


氷の刺激がカスマルの救世主に?(写真はイメージ)

   冷凍庫で製氷し、口に放り込む。

「あ、確かに酔わないかも」

   ガムの時と全く同じ感想だが、口に何か入れただけで酔い具合が変わってくるから不思議だ。

   もちろん氷は溶けるため、2個め、3個めと何度か放り込んでいく。VRの操作と口に氷を放り込む動作でちょっと忙しい。そして酔いは10分ほどで「こんにちは」とまたやってきた。結局ずっとやっているうちに脳が疲れてきて、気がつくと酔っていた、という印象だ。


やっぱダメか〜...という表情

   最終手段はクスリだ。前出の大正製薬サイトによると、ゲーム酔いには、酔い止めに含まれていることが多い「抗ヒスタミン」薬と「抗コリン」薬の2種類が効果的とのこと。


「スコポラミン臭化水素酸塩水和物」を含有し、自律神経の興奮を緩和してくれるらしい

   酔い止めを2錠飲み、30分ほど経過してから実験スタート。ずっと口に何か入れる系のテクニックを試してみたため、「何も口内に含まなくて大丈夫か?」と意味もなく不安になる。

   先ほどと同じように、走り回ってみる。視界だけが動く感覚で、またっ「うっ」と口から出そうになる。なんというか、頭が「世界」に圧迫されるような感覚というか。「100」を車酔いで吐きそうな状態とすると、すぐ10の状態に達した。

   そんなに効き目はないのかな?と思いながらVR空間を走ったりジャンプしたりしていたが、10分たって気づいた。状態が、「10」から全く動かない!ずーっと微妙に気分は悪いが、吐きそうになったり冷や汗をかいたり横になりたくなるほどにはならず、いつまでも走っていられる。

   もちろん個人差はあるだろうが、VR記者カスマルの場合は、最終手段として酔い止めが最も役に立ったという感想だ。

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