iPhone「声を分離」で雑音消える ドライヤー、工事現場、ガード下で実験

   さまざまな機能を持つ「iPhone」。実は音声通話中に「声を分離」モードという機能を使うと、iPhoneが周囲の騒音を識別し、環境音を消しながら自分の声を相手に伝えられる。2021年9月21日リリースの基本ソフト「iOS 15」から対応している。

   ツイッター上では、「声を分離」モードを紹介する投稿が2022年2月8日に大いに話題になり、49万以上の「いいね」が付いている。iPhoneを持っていても、この機能を知らなかったという人も多いようだ。

アプリで通話中に、「声を分離」モードを選択
青梅街道に面したJR新宿駅前の大ガード 高架下は騒々しい
Read more...

話し手の声だけが鮮明に

   通話中に面端をスワイプして「コントロールセンター」を開き、「マイクモード」をタップすると、「声を分離」モードを選べる。逆に周囲の声を拾ってくれる「ワイドスペクトル」というモードもある。

   アップルのリリースには、音声通話ツール「FaceTime」のほか「Webex、Zoom、WhatsAppなどの他社製アプリケーションでも使用できます」と書かれている。また記者が試した限り、電話回線を使って通話する「電話」アプリでは使えなかった。

   J-CASTトレンド編集部で、iPhone 13(iOS 15.3)ユーザーの記者と、 iPhone 12 mini(iOS15.1.1) ユーザーの同僚が通話し、実験した。

   まず、同僚は飲食店などが入居する商業ビルから「LINE」で電話をかけてきた。通話開始時は人の話し声のような音がしたが、同僚が「声を分離」を選んだ瞬間完全に雑音は消え、相手の声だけが鮮明に聞こえるようになった。驚きの変化だ。

   次に同僚がビル前の宝くじ売り場前に移動。売り場の宣伝のアナウンスが、けたたましく響いてきた。同僚が何を言っているか、アナウンスの音量でなかなか聞き取れない。そこで、同僚が「声を分離」を選ぶと、容易にその声を聞き取れるようになった。ただアナウンスの声は、会話に混じってたびたびわずかに聞こえてきた。

「Zoom」で使えた

   次に記者が「声を分離」を使おうとしたが、「マイクモード」をタップするとなぜか「声を分離とワイドスペクトルは現在使用できません」とのメッセージが表示され、モードを切り替えられない。端末や通信の環境によって、使用できない場合があるようだ。

   代わりに「Zoom」アプリを使うと、今度は「声を分離」を選べるようになった。ドライヤーを起動し、頭にあてながら話す。同僚には「ブオー」という大きな音が響いたそうだ。だが、記者が「声を分離」を起動すると、ドライヤーの音は消えたという。

   次に、工事現場前に移動した。工事用機械の「ドドドドド」という声が聞こえてくる。同僚によると、「かなりうるさい」。ここでも、「声を分離」を起動すると機械の音は消えたという。ただ、記者の声が、やや奇妙になったもよう。「エフェクト」がかかったようになり、少し機械音のように変化したほか、時々「ザッ」というノイズが混じるとのことだ。

   最後はJR新宿駅前の「新宿大ガード」。電車が頭上を通るのに合わせて「声を分離」を起動すると、こちらも走行音はほとんど消えたと同僚は語った。ただ、記者の真上を電車が通り、雑音の音量がピークに達した時には、記者の声も聞こえなくなったとのことだ。さすがに環境音が大きすぎて、iPhoneが記者の声を聞き取れなかったのかもしれない。

   なおこの機能は2018年発売の「iPhone XR」以降の機種で対応している。

注目情報

PR
追悼