ひどい生理痛で仕事に支障、上司に伝えますか 働く女性の本音に迫る
「生理(月経)」には悩ましい問題がつきまとう。個人差はあるが、生活に支障を来すほどの痛みや不調が出た場合は、家事や仕事をセーブする必要が出てくる。
普段通りの勤務が難しいとき、働く女性は上司に事情を伝えているのか。部活型コミュニティー&メディア・女子部JAPANが、2021年12月24日に開催したオンラインイベントの参加者を対象に調査した。
はっきり伝えないと「コロナ?」
質問内容は以下の通りだ(カッコ内は回答者数)。参加者のパソコンやスマートフォン画面に投票ツールを表示、回答してもらい、その場で集計した。問1~3は複数回答、4は単一回答。
問1)生理痛がひどくて、いつも通りに働くのが難しそうなとき、上司に伝えていますか?(n=75)
問2)どういう風に伝えていますか?(n=40/「問1」で「伝えている」と答えた人)
問3)上司に伝えない理由は何ですか?(n=28/「問1」で「伝えていない」と答えた人)
問4)コロナ禍でリモートワークが増えるなどして、上司に伝えやすくなりましたか?(n=51)
各設問の回答項目と結果は画像2~5(提供:女子部JAPAN)の通り。
1は、「女性の上司に伝えている」「上司に伝える必要はない」が各26%で最多、順に「男性の上司に伝えていない(22%)」、「男性の上司に伝えている(16%)」、「女性の上司に伝えていない(13%)」となった。女子部JAPAN編集部は「男性にはまだまだ伝えにくく、伝えても仕方がないと思っている人が多いのでは」と見解を示した。
伝えている人(n=40)はどう説明しているのか。50%は「生理」だとはっきり理由を告げている。そのほか「『体調が悪い』などとして伝える(40%)」、「特に理由には言及せず(いつも通りに働くのが難しそうだと)伝える(15%)」。「『風邪ぎみ』など生理を連想されないよう伝える」はゼロだった。
傾向として、新型コロナウイルスが影響を与えているようだ。参加者がチャットで以下のように考えを述べていた。
「コロナ禍なので、体調不良の理由をはっきり伝えないと『コロナでは?』と周りに疑われる。そこで生理痛だと言うようになった」
「伝えても何かが変わるわけではない」
生理痛がひどくても、黙って働く人も多い。「上司に伝えない理由」として群を抜いていたのは、「伝えても何かが変わるわけではない(54%)」。次いで「『生理』だと気付かれるのがイヤ(21%)」だ。
女子部JAPAN編集部は、「『生理痛のひどさ』が休む理由にならない。つまり職場での生理に対するリテラシーが低く、配慮されていない」という悲しい現実があると指摘。一方で、「伝えなくても自分のペースで仕事ができている(リモートワーク、自分の裁量で仕事量を調整できる)人」もいるのかもしれないと分析した。
コロナ禍でリモートワークが増えたことは、「上司への伝えやすさ」に影響しているのか。内訳は「伝えやすくなった(12%)」「変わらない(4%)」、「伝えにくくなった(10%)」と割れた。最多回答は「伝達方法も伝えやすさも変化はない(43%)」。そもそも「リモートワークができない、しない」とチャットでコメントする参加者もいた。
「生理で休む」誰にもあり得る
生理痛で平時通りの勤務が難しくても「上司に伝えない」人が少なくない中で、「伝える」メリットについて考えた。女子部JAPAN編集部は「この人はそういう人なのだ」「サボっているわけでなくパフォーマンスが落ちる日もある」と認識してもらう点にあるのでは、とみている。そのうえで、
・まずはチャットで気軽に、職場の女性同士で生理の悩みを共有する
・リモートワークができるなら、「生理の日にリモートだと助かる」という話をしていく
こうした取り組みを重ね、より働きやすい環境を目指すよう勧めた。
イベントでは、参加者から「『生理痛です』と言い過ぎて、男性の方が気まずそうにしている」とのチャットが寄せられた。そこで、「男性側の受け止め方」にも工夫できる余地がありそうだと提案した。「生理」とは誰でも使ってよい言葉であり、「生理で休むのは誰にとってもあり得ること」という認識を、当たり前にしていくのがよいという。
「(生理痛だと女性から伝えられると)『どうしていいかわからない』男性は多いですよね。最初は面食らうかもしれませんが、こういったことは『慣れ』も大事かと思います」
男性の戸惑う姿を見たくない、気まずい雰囲気になりたくないからと、つらさを飲み込んでしまっている女性にとっては、悩み解消につながりそうだ。