「世田谷パブリックシアター」転売チケット無効化 取り組みを取材すると
公演のチケットやゲーム機の高額転売が、たびたび問題視されている。
公共劇場「世田谷パブリックシアター」(東京都世田谷区)は2022年1月27日、転売が確認された公演チケットを無効にしたと発表した。数十席分のチケットが該当する。転売対策への姿勢が称賛を集めている。
71席分を無効に
対象は、1月28日から公演が始まった演劇作品「マーキュリー・ファー」。俳優の吉沢亮さんや北村匠海さんが出演している。劇場公式ツイッターで27日「皆様が公平にチケットをご購入できますよう、ご理解ご協力のほど何卒よろしくお願い申し上げます」と呼びかけた。
公式サイトには、公演日程ごとに無効となったチケットの座席が羅列されている。1月28日午後時点で、同日18時半公演分は「1階D列12番」「1階D列13番」、1月29日18時半の分は「1階O列17番」「1階O列18番」...と2月16日公演分に至るまでいくつもの座席が書かれており、記者が数えた限り71座席分ある。
これらのチケットは転売が確認されているため、入場は「お断りいたします」とのことだ。ツイッターでは、「素晴らしい対応」「他の公演もこうなってほしい」と評価されている。
公式リセール以外の転売NG
「世田谷パブリックシアター」営業広報に、J-CASTトレンドが取材した。転売チケットの無効化の取り組みは、21年12月に公演の「彼女を笑う人がいても」から行っている。
チケット転売の禁止は、19年6月施行の「チケット不正転売禁止法」(通称)で定められている。同シアターも不正な転売をしないよう呼びかけを行ってきたが、特にシアターの会員組織「友の会」関係者がチケットの高額転売に危機意識を抱き、シアター側は友の会と連携しながら転売対策を本格化させているという。
転売チケットの特定方法は非公表だが、今後も対策は続けていく。なお「マーキュリー・ファー」では、購入者の来場が難しい場合、公式チケットトレードリセールサービス「チケトレ」でリセールに対応している、シアター公式サイトでは「公式リセール以外の転売は認められません」と説明している。