トンガ噴火まだ終わってない? 本当に怖いのは「破局噴火」
トンガで2022年1月15日に起きた海底火山の噴火で、改めて巨大噴火への関心が高まっている。まだ現地の被害状況の詳細は明らかではないが、火山付近の島が吹っ飛び、消滅したという。津波が遠く離れた日本や米国西海岸にも押し寄せた。
専門家の中にはさらに大きな「メガ噴火」が日本でも起きるリスクについて警鐘を鳴らす声もある。
噴火レベルは5か6
火山の噴火規模は、0~8の「VEI」指数で表される。レベルが一つ上がるたびに、規模が約10倍になるという。
18日の朝日新聞によると、神戸大の巽好幸名誉教授は、今回のトンガの噴火について1991年のフィリピン・ピナトゥボ火山の噴火と同じVEI6級ではないかと試算。
トンガの火山を長年研究してきたニュージーランド・オークランド大のシェーン・クローニン教授は同紙の取材に対し、噴火の時間が短かったことからVEI5レベルではないかと語っている。
同教授によると、この海域では900~1000年に一度、このレベルの噴火が繰り返されているという。
また、地震と火山を研究している鹿児島大学の井村隆介准教授はFNNの取材に対し、衛星写真をもとに、「この噴煙の広がっている広さが、関東地方一円に広がるくらいの大きさの噴火なんです。この規模の噴火というのは、世界でも100年に1回あるかないかというような、非常に大きな噴火です」と語っている。
強大な爆弾の上に住む
朝日新聞はさらに大きな噴火がありうることも紹介している。人類や文明に大きな影響を与える「破局噴火」だ。地球の歴史を振り返ると、環太平洋火山帯では過去に7や8の超巨大噴火があり、1815年には起きたインドネシア・タンボラ山の噴火は7だった。翌年は欧州で近代史上最も寒い「夏のない年」になったという。
日本では9万年前の阿蘇カルデラ、3万年前の鹿児島・姶良カルデラ噴火が7級。最も新しいのは7000年前に南九州の縄文文化を壊滅させたとされる鹿児島沖の鬼界カルデラ噴火で、やはり7だった。
鬼界カルデラについて巽名誉教授は「再噴火も十分ありうる」と語っている。
18日放送のテレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」は、トンガの噴火を特集。コメンテーターで出演した同局・玉川徹氏は、日本では過去に何度も噴火指数7レベルの超巨大噴火が発生していることを説明。「私たちって巨大な爆弾の上に住んでいるようなものなんだなというのを今回また改めて思った」と話していた。