新型コロナとインフルエンザ 両方に同時感染したらどうなる?
新型コロナウイルスとインフルエンザに同時感染した例が、各国で報道され始めている。二重感染は「フルロナ」(インフルエンザとコロナを合わせた合成語)」と呼ばれているそうだ。北半球では冬にフルにインフルエンザが流行することが多いだけに、心配する声が上がっている。
ブラジルやハンガリーで二重感染
韓国・中央日報によると、2021年1月3日、ブラジル北東部セアラー州と南東部リオデジャネイロ州・サンパウロ州などで新型コロナとインフルエンザ両方で陽性診断を受けた感染者が6人発生した。現地報道によると、二重感染した10代の少年1人は新型コロナとインフルエンザ予防ワクチンをすべて打っていた。ただし6人の症状は軽いという。
ハンガリー防疫当局も新型コロナ陽性診断を受けた青年2人がインフルエンザにもかかっていたことを明らかにしている。現地メディアによると、ハンガリー国立公衆衛生センターは「より多くの国民が新型コロナとインフルエンザに同時感染した可能性もある」とし、「フルロナ状況を鋭意注視している」とのことだ。
イスラエルでは妊婦が感染
CNNによると、イスラエル保健省は1月4日、新型コロナウイルスとインフルエンザの両方に同時感染した患者が同国で初めて確認されたことを明らかにした。
患者はワクチン未接種の30代の妊婦で、すでに治療を済ませ、昨年末に退院した。医師によると、女性は新型コロナとインフルの両方に対処する医薬品を組み合わせた治療を受けた。イスラエルでは、主に新型コロナのワクチンもインフルエンザのワクチンも接種していない妊婦の間で、コロナの症例に加えてインフルエンザ感染が急増しているという。
CNNの取材に対し、イスラエル・ベングリオン大学公衆衛生校のナダブ・ダビドビッチ学部長は4日、「現在はインフルエンザの活動も新型コロナの活動も非常に活発なことから、両方に感染する可能性はある」と指摘。「それが普通になるとは思わないが、考慮する必要はある」と語っている。
インフル流行の可能性も
昨冬は、各国でロックダウン(都市封鎖)などのコロナ対策が強力に行われ、インフルエンザの症例は極めて少なかった。しかし今年は、オミクロン株の流行はあるものの、経済活動も再開されていることから、インフルエンザが増加する可能性があると各国の専門家はみている。
米疾病管理予防センター(CDC)によると、昨年12月18日までの1週間で報告されたインフルエンザ患者は4500人余り。2週間前に比べて2倍ほどに増えている。中央日報によると、CDCは「今年冬のインフルエンザの流行は昨年冬よりも深刻になることが予測される」としている。
一方、CNNによると、イスラエルのダビドビッチ氏は、二重感染について、「基礎疾患がなく、インフルエンザと新型コロナの両方のワクチンを接種している人については、それほど重大な影響はなさそうだ」と予想しているという。