牛乳をハンバーグに加えておいしさアップ 増量したらコクと旨味が広がる
新型コロナウイルス禍で乳製品の需要が減り、処理できない生乳が大量廃棄される懸念がある。料理研究家のリュウジさんは牛乳の消費促進を願い、牛乳を使った過去の料理レシピを2021年12月13日にツイッター上でまとめ、活用を促した。
J-CASTトレンド編集部でも、牛乳を使ったレシピに挑戦することにした。今回のお題は「ハンバーグ」だ。「タネ」に牛乳を加えるレシピは多いが、量次第でおいしさに変化は生まれるのか。
タネがまとまりづらいが
インターネット上のレシピを見ると、ひき肉200〜250グラムに対し、牛乳は大さじ2〜3杯(約30〜45ミリリットル)が多い。ただ、明治の公式サイトは、ひき肉200グラムに牛乳75ミリリットルを使う「ジューシーハンバーグ」というレシピを公開している。牛乳を多めに入れると、ナイフを入れた時に肉汁が「ジュワー」と出てくるのだとか。
そこで今回は100グラムずつひき肉を用意。シンプルなレシピでハンバーグを作り、牛乳の量のみ段階的に増やして検証する。材料は以下。
ひき肉(牛・豚) 100グラム
パン粉 大さじ2杯
玉ねぎ(みじん切り) 8分の1個分
A 牛乳 大さじ1と2分の1杯(約22.5ミリリットル)
B 牛乳 大さじ2と2分の1杯(約37.5ミリリットル)
C 牛乳 大さじ3と2分の1杯(約52.5ミリリットル)
D 牛乳 大さじ4と2分の1杯(約67.5ミリリットル)
ひき肉は100グラムで牛乳のみ増量
上段3つの材料をベースに、A〜Dの順番でハンバーグ1個ごとに牛乳の量を変え、それぞれこねていく。水気が多くなり、Cからはタネがまとまりづらくなった。少し時間はかかったものの、最終的にCとDも小判状に整形できた。
フライパンにサラダ油を敷き、弱火で1分加熱してひっくり返す。フタをし、弱めの中火でさらに7分熱して完成だ。火の当たりの問題か、CとDのみ表面の焼き目が濃くなった。
左上から時計回りにA・B・C・D
口にして「おぉ...」
まずはA、牛乳大さじ1と2分の1(約22.5ミリリットル)のハンバーグ。比率として仮にひき肉が200グラムのレシピだったとすると、牛乳は倍量の大さじ3(約45ミリリットル)に相当する。一般的な牛乳量だろう。味はごく普通のハンバーグだ。
次にB。牛乳大さじ2と2分の1(約37.5ミリ)のハンバーグ。口に運ぶと、思わず「おぉ...」との声が漏れた。肉の旨味と歯応えはあまり変わらないまま、格段にジューシーに仕上がっているのだ。この後に再度Aを食べると、もはやボソボソとした食感だと感じてしまうほどだった。
Bのハンバーグ 肉汁感が格段にアップ
そしてC。牛乳大さじ3と2分の1(約52.5ミリ)のハンバーグ。当然ながら汁気はさらに増し、歯応えはかなり柔らかい。ただ牛乳自体が有するコクのおかげか、肉の旨味が薄れた印象はない。口いっぱいに汁が広がってくる。
最後はD。牛乳大さじ4と2分の1(約67.5ミリ)のハンバーグ。とにかく水分量が多い。さすがに肉の旨味が若干弱くなっている。ひき肉同士のつながりが弱く、豆腐ハンバーグに食感が似ていると感じた。
Dのハンバーグ 断面の見た目はBとほぼ変わらない
個人的には、牛乳大さじ3と2分の1杯(約52.5ミリリットル)を入れたCのハンバーグが最も好みだった。200グラムのひき肉ならば、大さじ7杯(約105ミリリットル)の牛乳を入れる比率だ。
肉汁が増したことへの感動は、Aの後にBを試した時が最も強かった。ハンバーグに牛乳を入れて作るなら、いちど試しに量を増やしてみてはどうだろうか。