オミクロン株の知られざる特徴 ロンドンで急拡大、感染者の4割占める
新型コロナウイルスのオミクロン株について、世界各地から刻々と新たな情報が報じられている。英国のジョンソン首相は2021年12月13日、同国内で少なくとも1人の死亡を明らかにした。多数の感染者が出ている南アフリカ共和国では、オミクロン株のこれまであまり知られていない意外な特徴が明らかになった、という報道もある。
デルタ株に置き換わる可能性
全体の基軸になるのは、WHO(世界保健機関)が発信する情報だ。NHKによると、WHOは10日、南アフリカでの初期のデータからは重症化や入院のリスクはデルタ株より低い傾向が見られる、としたうえで今後2、3週間かけて慎重に分析を進める考えを示した。
さらに12日には、「デルタ株の市中感染が起きている地域で、オミクロン株の感染拡大のペースは、デルタ株を上回るとみられる」との判断を示し、今後、世界各地でデルタ株がオミクロン株に置き換わる可能性を指摘した。
オミクロン株は「軽症」「無症状」が大半、という報道が続く中で、世界が注目したのは英ジョンソン首相の発言だ。13日、地元メディアに対し、同国内でオミクロン株に感染して少なくとも1人が死亡したことを明らかにし、「感染拡大のペースが速いことを認識すべきだ」と述べ、追加接種の重要性を強調した。死者の病歴や年齢は不明だ。
ロンドンでは、いまや感染者のおよそ40%をオミクロン株が占めている、と報じられている。イングランドでは、重症化して入院している人が10人に上り、多くは2回のワクチン接種を済ませていたという。感染者が増えると、一定の割合で重症者が出る、という専門家の予想を裏付ける状況になっている。
世界の65の国と地域に拡大
NHKが14日午前3時時点でまとめたところによると、オミクロン株の感染は、日本を含め世界の65の国と地域で確認され、短期間に全世界に急拡大している。
読売新聞によると、急拡大の要因についてWHOは、「免疫を逃れる(性質がある)からなのか、固有の感染力が強いからなのか、その両方なのか判然としない」としている。
ワクチンの効果もはっきりしないが、ファイザー社は、ワクチンを3回接種すれば、オミクロン株に対する高い効果が期待できると発表している。
これまでコロナでは、味覚や臭覚の障害が起きるケースが多かったが、オミクロン株ではそれらはないとされている。一方で、韓国の中央日報は14日、「オミクロン株の確実な兆候、夜になれば分かる...南アが突き止めた特異な症状」という記事を公開している。
英紙エクスプレスやミラーなどの情報をもとにしたもの。南アフリカ保健省のブリーフィングに出席したウンベン・ピレイ博士は、「オミクロン株に感染したという確実な兆候の一つが夜に現れる」とし、「オミクロン株に感染した患者は夜になると汗をかくことが確認された」と話した。
開業医をしているピレイ博士は一日に数十人のオミクロン感染者を診療している。「涼しいところで寝ているのに、寝衣や寝具がぐっしょりと濡れるほど夜に汗をかく症状を示したオミクロン感染者もいた」という。
中央日報は、「従来のコロナウイルスやデルタ株の特異症状で夜の汗が指摘されたことはなかった。ピレイ博士はオミクロン感染者のうち何人が夜に汗をかいたかなどの具体的なデータは示していない。南アフリカ以外の他地域の感染者からもこのような症状が報告されたかどうかは分からない」と、注釈付きで報じている。