■阪神JF「カス丸の競馬GI大予想」 2歳牝馬のチャンピオンはどれだ?!
カス丸 はーい、ぼくカス丸きゃすう。今年ももう12月半ばだじぇい。今週は2歳牝馬のチャンピオンを決める阪神ジュベナイル・フィリーズ(JF、2021年12月12日、阪神競馬場、芝1600メートル)きゃすう。このレースが近づくと本当に年末になったんだと思うじぇい。人間様がコロナに苦しんだ1年、ぼくらイヌ族はあまり関係なかったけど、そんな中でも馬たちは一生懸命走ってきたきゃすう。来年はコロナも収まって人間様が競馬場にくることを祈るばかりだじぇい。さっそく予想だけど、2歳という時期はまだまだデータも少ないから難しいきゃすう。穴狙いのカスヨ姉さんは本命◎がサークルオブライフだじぇい。
重賞馬4頭が中心か?
カスヨ カス丸のいうとおり、このレースは意外と難しいのよね。ここ5年くらいはそんなに荒れるレースじゃないんだけど、その前は大荒れがあったりして、ちょっとつかみようがないのよね。阪神の向こう正面からスタートして、外回りを使うワンターンコースね。カーブの角度も緩やかだし、最後の直線も500メートル近くもあるから末脚がしっかりした馬が強いわね。今回走る18頭のうち、重賞を勝っているのが4頭。サークルはその1頭ね。10月にあったアルテミスステークス(GIII、東京、1600メートル)を快勝したんだけど、前評判はあまり高くなかったのね。それはこの間の東京スポーツ杯2歳ステークス(GII、東京1800メートル)を勝ったイクイノックスとデビュー戦でぶつかり、7馬身差で負けたということが大きいかもしれないわ。でも、その後は順当に勝ち上がってきて、アルテミスSでは上がり(最後の600メートル)33秒5という強烈な末脚で、4コーナー8番手から一気に馬群を追い抜いて勝ったのね。まあ、2歳馬は1か月で激変するというから、この馬の才能が開花してきたということかしらね。この阪神JFはだいたい前半のペースが速くなるので、しっかり脚をためて直線一気の勝負に出れば、優勝争いは必至ということになるわね。
カス丸 ふーん、強そうだじぇい。絵にかいたような差し切りができるかどうか、見ものきゃすう。ガジュマル爺はウォーターナビレラが本命◎だじぇい。こちらも重賞を勝ってきてるきゃすう。
ガジュマル爺 そのとおりじゃ。先月にあったファンタジーステークス(GIII、阪神、1400メートル)を無傷の3連勝で飾ったばかりじゃ。この馬の強みは、サークルオブライフと違って、先行して上がり最速の脚を使えることじゃ。8月の札幌のデビュー戦(新馬 芝1500メートル)では逃げて、メンバー中最速の上がり34秒8の脚を披露。2戦目のサフラン賞(1勝クラス、中山1600メートル)も先行2番手から、これも最速の33秒6を記録したんじゃ。先行して、上がりも最速では後ろにいる馬たちはたまったもんじゃないだろ。追いつきようがないからじゃ。それに1戦ごとに馬体重が増え、成長しながら力をつけているのも2歳馬としては理想的じゃ。調教も栗東Cコースで追われて最後1ハロン(200メートル)を11秒9でまとめる好タイムじゃから好調キープじゃ。鞍上がレジェンド武豊騎手なら、GIの舞台でも安心して任せられるというもんじゃ。阪神コースも経験済みじゃから4連勝で頂点に立つのは間違いないじゃろ。
カス丸 ふーん、こちらも強そうだじぇい。先行できて末脚強烈というのが、見てて一番安心きゃすう。対抗〇だけど、カスヨさんはナムラクレア、爺はベルクレスタだじぇい。
カスヨ ナムラクレアも重賞覇者よ。末脚がしっかりしてるという点でいえば、この馬も相当なものなのよ。デビュー2戦目でフェニックス賞(小倉、1200メートル)を出遅れながら3番手へ押し上げていき、上がり最速の36秒4で勝利したわ。続くGIII・小倉2歳ステークス(小倉、1200メートル)では6番手から外を回って上がり最速で差し切って2馬身差の快勝よ。前走のファンタジーステークスでも中団前目の4番手から上がり最速で追い込んだんだけど、2着と惜しい競馬だったわ。行きたがる素振りを見せる面もあるんだけど、折り合いさえつけばスピードと瞬発力は確かなので、一気に頂点まで上りつめてもおかしくないわね。
ガジュマル爺 ベルクレスタは重賞を勝ってはおらんのじゃが、実力は相当なレベルの馬なんじゃ。前走のGIII、アルテミスSは終始3番手でレースを進め、直線で先頭に抜け出したところを後ろからサークルオブライフにクビ差、先着されたんじゃ。ただ、注目したいのは新馬戦(中京1600メートル)じゃ。2番人気に推され、上がり最速の34秒3の脚をマークしながら、勝ち馬に1馬身2分の1差及ばず惜敗。しかし、勝ったセリフォスがその後、新潟2歳ステークス(GIII、新潟1600メートル)、デイリー杯2歳ステークス(GII、阪神1600メートル)と重賞を連勝していることから、この馬の能力もかなり高いとみるべきじゃろ。鞍上の松山弘平騎手が新馬戦から騎乗し続けているのもプラスじゃ。距離は3戦すべて今回と同じ1600メートル戦と経験済みじゃ。
カス丸 うーむ、上位に推されたのは重賞を制覇した馬か、それに準じた馬ばかりだじぇい。1勝馬とかで有力なのはいないきゃすう?
重賞覇者以外も有力馬がこんなに
ガジュマル爺 重賞覇者の残る一頭もあげておくぞ。ナムラリコリスじゃ。この馬は前走でGIII、函館2歳ステークス(函館、1200メートル)を勝っておるんじゃ。ただデビュー後3戦全部が1200メートル戦なんじゃ。他の距離を走ってないから、人気は出ないじゃろうが、馬券的には妙味がある馬なんじゃな。父ジョーカプチーノは2009年のNHKマイルカップ(東京1600メートル)の勝ち馬で、1200~1600メートルで活躍したんじゃ。じゃからマイルでもギリギリこなせないことはないはずじゃ。函館2歳Sでも外枠(11頭立て11番枠)から先行勢にとりついて抜け出し、短距離レースにもかかわらず2着に1馬身4分の1差をつけて勝ったんじゃ。5か月の休み明け初戦となるんじゃが、馬体重が増えていれば、なお良しというもんじゃ。 次に重賞に一歩届かなかった馬ということでいうと、ステルナティーアじゃな。新馬戦(新潟1600メートル)は福永祐一騎手を背に3馬身差の圧勝じゃ。中団を追走して、直線は外を回らされたものの、上がり32秒7という数字は今回の出走メンバー中で最速じゃ。2走目のサウジアラビアロイヤルカップ(GIII、東京1600メートル)は牡馬と混じってのレースで、もう来年のダービー候補といわれておるコマンドラインの2着と健闘したんじゃ。このときも33秒4のタイムで上がってきておるから、確かな末脚で上位とは差なく、下馬評が高い1頭なんじゃ。父ロードカナロアは1200~1600メートルのGIで活躍。母ラルケット(4勝)は2007年のこのレースに2連勝で臨み10着に沈んだんじゃが、その後1600、1800メートル戦で2勝したんじゃ。母の父ファルブラヴは2002年のジャパンカップ優勝馬で、1発が期待できそうな血統じゃな。 最後にキミワクイーンじゃ。3戦2勝で、使われたレースはすべて左回り。勝った2レースはいずれも東京コースの1400メートル戦じゃ。新馬戦(東京)は先行して上がり33秒6でまとめて勝利。2戦目にはいきなり重賞の新潟2歳ステークス(GIII、新潟、1600メートル)に挑戦したんじゃが、結果は6着。じゃが、わざわざ新潟に輸送して重賞にぶつけてきたことを考えると陣営の期待度の大きさがうかがえるというもんじゃ。前走は1勝クラス(東京)を2着の牡馬、オタルエバーをクビ差競り落としたんじゃ。ともかく先行力を生かせば掲示板(5着以内)は外さない力は十分もっておるはずじゃ。
カスヨ 私はまずナミュールよ。新馬、赤松賞と1600m戦を2連勝している素質馬ね。ただ、多頭数のレース経験をしていないため、馬群に包まれたときに力を発揮できるかどうかが心配なんだけど、問題なければこの馬の末脚もトップレベルに間違いないわね。 次はラブリイユアアイズね。新馬、クローバー賞と2連勝後に臨んだ京王杯2歳ステークスでは出遅れが響いて3着まで追い上げるので精一杯だったわ。前走がGIIだった馬は他にいないという点と、これまで牝馬には一度も先着を許していない点を考えると好走する可能性が高いと考えられるわね。 最後にサクよ。新馬戦を勝ち上がったばかりなんだけど、阪神1600mを経験している点と内側を走ってもひるむことなく最後までしっかりと脚を使って勝ち切ったことは評価できるわね。
カスヨ うーん、このレースも難解きゃすう。末脚勝負とみて、一番キレ味がいいとおもわれるステルナティーアが本命◎だじぇい。