牛タン「ねぎし」1号店閉店へ 新宿「歌舞伎町店」創業40年の節目に
とろろと牛タン定食で知られる「ねぎし」。首都圏で39店舗を展開しているが、2021年11月28日に東京都新宿区にある「歌舞伎町店」を閉店する。
この店舗は、1981年の創業時から存在する「1号店」だ。40周年という節目に、創業の地から姿を消す。
居酒屋を思わせる雰囲気
公式サイトによると、ねぎしは81年に歌舞伎町で創業。当時の牛タンは、酒のつまみとして食べられることが多かったという。男性だけでなく女性にも牛タンのおいしさを伝えるため、牛タンととろろを組み合わせた「ねぎしセット」を提供しはじめた。
歌舞伎町店の閉店は、公式サイト上で11月1日に発表された。「長きに渡りご愛顧を賜りましたこと、心より感謝申し上げます」とつづられている。
閉店前の様子をひと目見るため、記者は22日に現地を訪れた。同店は歌舞伎町の西端、西武新宿駅前通り付近で店を構える。ダイニングバーとライブハウスに挟まれた、暗い色合いの外装だ。入口の扉横には「昭和56年開業 ねぎし一号店」と書かれた札が据えられている。
店内は、個人経営の居酒屋や定食屋を思わせるこじんまりとした雰囲気だ。6席程度のカウンターと、4人がけのテーブル席が3つ、座敷席が1つ用意されていた。カウンターのすぐ向こうに、従業員の調理風景が広がる。
内装は木造調で、居酒屋のメニューのように「アスパラ炒め 450円」「焼にんにく 450円」「自家製ぬか漬 300円」と書かれた紙の札があちこちに貼られている。落ち着いたオレンジ色の照明が心地いい。
「創業以来の変わらぬ味」
「ねぎしセット」(1750円、税込・以下同)を注文した。公式サイトでは「創業以来の変わらぬ味」とされている。タンの根元部分にあたる「白たん」5枚と、麦めし、テールスープ、とろろ、お新香のセットだ。やわらかなタンの旨味が、しょう油の利いたとろろと、麦めしの素朴な味と合う。
「自家製ぬか漬」も注文した。店舗独自のメニューなのか、公式サイトのメニューには記載がない。ななめ切りされたキュウリと、いちょう切りされたニンジンのセットだ。固めでシャキシャキとした強い食感で、ぬか漬け特有の酸味と甘みが良い口直しとなった。思わず酒も欲しくなる。注文はしなかったが、生ビール、焼酎(麦・芋)、レモンサワー、日本酒、ワイン、梅酒、ハイボールとひと通りそろっていた。
ピークタイムではなかったが、カウンターは常に満席だった。閉店の告知は、店内にも掲げられている。近隣店舗として、「新宿サブナード店」「新宿靖国通り店」への案内があった。