「ボージョレ・ヌーボー」出来栄えアピールすごいけど 結局どの年が最高なの
2021年の「ボージョレ・ヌーボー」が11月18日、解禁された。フランス・ブルゴーニュ地方のボジョレー地区で生産される新酒ワインで、日本でも季節の風物詩として定着してきた。
インターネット上では発売の時期になると、「○年に1度の出来」など、その年のボージョレ・ヌーボーのキャッチコピーとされるフレーズが注目を集める。実際にはどの年にできたボージョレ・ヌーボーが最も「おいしい」のか、気になる。
今年は「納得のヌーヴォー」
ネット掲示板やツイッター上ではたびたび、このキャッチコピーをまとめた年表が出回る。「10年に1度の当たり年」「品質は昨年より良い」「50年に1度の出来栄え」といった大げさなフレーズも有名だ。
アサヒグループのワイン会社「エノテカ」公式サイトの21年11月18日付記事によると、日本で出回るボージョレ・ヌーボーのキャッチコピーは2種類存在する。
1つは「現地のボジョレーワイン委員会によるブドウの評価をもとに、フランス食品振興会(SOPEXA)が発表した公式見解を和訳したもの」。もう1つは「その情報をもとに日本で作られたキャッチコピー」だという。後者では「110年ぶりの当たり年」など大げさなキャッチコピーが付けられることもあるが、誰が作ったフレーズなのか定かではないとのことだ。
なお「ボジョレーワイン委員会 日本事務局」によるボージョレ・ヌーボー解禁時の発表資料を見ると、2020年のタイトルには「偉大なヴィンテージ 濃縮なワイン」、2021年の資料のタイトルには「挑戦の末たどり着いた、納得のヌーヴォー」、というフレーズが付けられている。
「お祭り」のような面が
ワイン愛飲家にとって、どの年のボージョレ・ヌーボーがおいしいのか。
J-CASTトレンドは、通販サイトの酒販部門を担当する人物に取材した。1990年代前半から、ボージョレ・ヌーボーが解禁されるたびに、毎年飲んでいるという。
話によると、ボージョレ・ヌーボーは発酵後に長期間熟成させず、ブドウの収穫後から2か月といった短時間で出回る。酸味や渋みは強くなく、フレッシュな果実の味を楽しむワインだ。
収穫後すぐにワインとして出回るボージョレ・ヌーボーの解禁には、「今年もブドウがとれ、ワインができてよかった」と収穫を祝い、その年のワインの出来を味見するために飲むという「お祭り」のような側面があるという。全世界共通で「11月の第3木曜日」に解禁日が定められている点も、この「イベント」を盛り上げる要素だ。
ではどの年がおいしいかを聞くと、「基本的には(毎年)おいしい」との答え。年に1度、解禁した時にしか飲まないこともあり、「去年よりすごく良いとか、そういった実感は持ちづらい」と明かす。
水っぽさが強かったり、果汁が薄かったりしてよほど味の落ちる年があれば差異を感じる可能性はあるが、これまでにそういったことはなかったという。またあくまでその年の「ボージョレ・ヌーボー」の味を楽しむために飲んでおり、ほかの年との差を意識することもないと話した。