下着に縫い付けられた「紙タグ」が厄介 生地を傷めないきれいな外し方
「下着に縫い付けられた紙タグが取りにくい」。インターネット上では、上手な外し方の問いや、縫い付け糸を外そうとして下着をダメにしてしまったとの嘆きが投稿されている。
J-CASTトレンドは下着メーカー2社を取材。「紙タグ問題」は解決できるのか。
メーカーは「お困りの声」を把握
女性用下着では、紙のタグがミシン目に沿って縫い込まれていることがある。タグを取り除くため、縫い付け糸を切るつもりが、誤って下着の糸を切ったり、強引に外そうとしてほつれてしまったりと、厄介だ。
なぜ下着にはこのようにタグ付けされているのか。下着メーカーのワコールと福助の2社に聞いた。
ワコール広報は、タグについて「商品管理と価格表示をするにあたり、繊細な下着の素材に縫い付けられ、かつ明瞭に印刷もしやすい素材ということで従来より紙を使用しております」と説明した。福助の広報は、紙タグ使用の明確な理由はないが、「製造における縫製ラインにおいて効率よく付けることができるためと考えられます」と話した。
一方、消費者から紙タグに関して「お困りの声」があるのは事実だと、2社とも口をそろえた。
ワコールは解決のため、独自の方法で簡単に取り外せるように縫い付け、タグの裏側に取り外し方を載せている。また、アナウンサー・下着美容研究家の湯浅美和子さんのブログ記事「タグのきれいなはずし方」を参考にしてほしいと話した。
ブログには、「タグの縫い糸には違う色のものが使われており、裏面からこれを引っ張ることで表のタグも簡単に取れる」との内容が、写真付きで丁寧に紹介されている。
福助では、「縫い込みタグの取り方がわからない」、「剝がしても紙や糸が残り煩わしい」という消費者の声に応えるため、新しいタグを採用する。広報は、「お菓子の箱パッケージにある切り取り線のように、タグを取る方法を開発しました」と説明。切り取りやすいよう、タグのミシンが通る部分にはあらかじめカーブをつけたり、タグ上部はつまみやすい幅に調整したりと工夫を施した。
2021年の秋冬シーズンから、一部商品で採用後、22年初夏シーズンから本格的に展開する予定だという。
公式サイトで取り外し方説明
下着メーカーGUNZE(グンゼ)の公式サイトでは、紙タグを使っている理由や正しい取り外し方を紹介している。
ラン型インナーやキャミソールなどは、「アンビタッチ」というプラスチック製のもので外れないように紐付けをしている。一方、「ショーツなどの場合はアンビタッチを取り付ける穴を開けてしまうと、生地をいためてしまうことがあります」。
取り外し方は、まず紙のミシン目に沿ってタグを3~4回折り曲げ、ゆっくりちぎる。その後、残った紙タグを取り除いて糸を抜く、としている。