自宅で梅干しを作る 4か月に及ぶ壮大なドラマには続きがあるの

   【J子が行く】J-CASTトレンド記者「J子」とその同僚たちが、体を張って「やってみた、食べてみた、行ってみた」をリポートします。

   「梅干し作りませんか」。「赤穂の天塩」で知られる天塩(本社・東京)から、編集部にこんな誘いがきた。梅干しは、記者が幼少期の頃から祖母が毎年作っていた記憶がある。私はほとんど作業を見ていただけ。いつも「出来上がった梅干しをチビチビ食べる係」だった。

   その頃を懐古しつつ、「やってみたいです!」と名乗りを上げた。20代一人暮らしの女性記者、私Jミーが自宅で梅干し作りに挑戦だ。

Jミー、今度は梅干し作りに挑戦
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梅がキラキラ輝く

   2021年6月25日、梅干しを塩漬けにする。

   梅干し作りには、主に「塩漬け」「赤じそ漬け」「土用干し」の作業があり、それぞれ梅や天候の様子をみながら時期を分けて行う。まずは、最初のステップとして塩漬け作業だ。

   天塩の営業本部「天塩スタジオ」の企画部次長・前原淑子さんの案内で、天塩が開催する「梅干づくり教室」に自宅からオンラインで参加した。事前に申し込むと、
・南高梅1キロ
・天塩
・梅干し作りのパンフレット
などが一通りセットになって届く。梅干しは、青みが残っている場合は常温で保存して、塩漬けの日まで黄色く追熟させておこう。塩漬けする際に必要な消毒用の焼酎は、記者が用意した。


梅干し作るぞ~

   パソコンの前に材料を用意してスタンバイすると、オンライン教室が始まった。講師を務めるのも、前原さん。

   今回使用する南高梅は、和歌山県を代表する品種。大ぶりで皮が薄く、果肉が柔らかい「極上の梅」だという。


塩漬けの説明をする前原さん

   まずは梅を水に浸して洗う。人生初の作業に、内心どきどき...。


梅がキラキラしてる...
前原さん「どうですか?梅の周りが、宝石のように輝いて見えませんか?」
Jミー「見えます!!!(興奮)」

   鼻を近づけると、すでに梅の良い香りがする!もうおいしそう(気が早い)!

   次に、梅をふき取り、へたのような部分「なり口」を竹串で取っていく。


なり口を取る

   消毒用に用意した焼酎を梅に吹きかけ、食品保存袋に梅と塩を入れて、よくなじませる。この袋がポイント!

   梅干しづくりといえば、大きなタルに大量の梅と塩を投入して、大がかりなイメージがある。でも、保存袋を使えば、特別な道具はいらず、少量からでも梅を漬けられるのですよ、皆さん。これなら、一人暮らしの私にもぴったり。


梅と塩をなじませる
前原さん「梅干しは、保存状態が良ければ何年経っても食べられるんですよ」

   すごいなあ...とにかく今は、完成を目指そう。最後に参加者の皆さんと、塩漬けした梅干しをもって記念撮影し、和気あいあいとした雰囲気で教室は終了した。


教室の参加者たちと記念撮影(画像は編集部で一部加工)

黄色かった梅が紅に染まる

   ここからは、ひとりで梅干しの世話が始まる。塩漬けした梅干しに、重石を乗せて梅酢が出るのを待つ。


重石の代わりにペットボトル

   袋に入った梅干しは、塩や酸に強いガラスかホーロー製のボウルに入れ、500ミリリットルのペットボトル4本、2キロ分を重石の代わりに梅干しの上に乗せる。記者は、塩漬けした当日、銀のボウルに入れて保管していたが、変色する恐れがあるので翌日ホーロー製の器に移した。

   暗くて涼しい場所に置く。最初の2~3日は、1日2~3回袋をゆすって全体をなじませるようにする。オンラインの教室は金曜日だったため、休日だった土日も常に梅の様子を気にしながら過ごした。


梅酢がお目見えした

   2~3日経つと、塩が溶けて本当に梅酢があがってきた!!ペットボトルを2本減らして、そのまま赤じそを漬ける日まで置いておく。次第に、自分が漬けている梅干しに愛着が芽生え始めてきた...丸い梅干し、なんだかかわいい...。

   2021年7月上旬、赤じそ漬けにする。市販されている赤じそを使えば、作業は簡単。記者もスーパーマーケットで購入した。


市販の赤じそ

   塩漬けの梅の袋に、赤じそを全体に広げるように入れていく。それまで黄色かった梅が紅に染まり、「私、梅干しですよ」という雰囲気を醸し出してきた。


これで梅干しが赤くなるよ

   袋を閉じて、梅雨が明けるまで再び保存だ。梅干しは待つ時間が長い。

もう立派な梅干し

   2021年8月上旬、「土用干し」する。梅雨明け頃、立秋前におとずれる「夏の土用」と呼ばれる時期に行うもので、天気が良い晴れた日に梅干しを天日干しにする作業だ。

   梅干しを並べるザルが必要のため、インターネットで、人生初ザルを購入した。自宅に届いてすぐに思った。

「これ、おばあちゃん家にあったやつや...」

   まだ私はおばあちゃんではないけれど(キッパリ)、ザル使います。


赤じそに染まった

   梅干しは、もう赤じそになじんで、おいしそうな色合いになっている。


ザ・梅仕事って感じ

   梅と、汁気を絞った赤じそをザルに並べて、日当たりと風通しがよい場所に朝から干す。夜になったら家の中に取り込み、梅の表面が乾いてシワシワになるまで全部で3日間ほど続ける。記者は自宅のベランダで行った。


天日干しにした梅干し

   すっかり乾いて、表面の皮はざらっとしている。試しに一粒、手に取った。


一粒が大きい!!

   見てください。大きくないですか!!!見た目はもう立派な梅干し。

   あとは、清潔な保存容器に梅と赤じそを移して、梅酢を注いで保存すればよい。

   2021年10月下旬、完成。

   梅干しは、天日干しした後すぐにでも食べられるが、約3か月経つと、おいしい食べ頃になる。天日干しから約3か月。出来上がった梅干しが、こちら


じゃーん!

   これは、成功では!?ここまで腐らせず、皮も破れず、きれいな大粒のまま保存できた。

   せっかくなので、そのまま食べてみる。

「んんんん!!!」

   思わず顔がきゅっとなった。しょっぱくて酸っぱくて、おいしい...。そして、なんだか懐かしい味がする。おばあちゃんが作ってくれていた梅干しに似ている気がした。

   4か月かけて作った梅干し、どうせならおいしく食べたい。そこで次回は、Jミーが梅干しを使った各種レシピをご紹介しよう!【続く】

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