「スポーツの秋」腸に効く運動は 手軽なウオーキングとリラックスするヨガ
【連載】プロが教える「超ラク腸活」
スポーツの秋。一般的に運動は「健康に良い」イメージがある。
ただ便秘解消を目指す「腸活」にとっては、積極的に取り入れたい運動と、時間を選んだほうがよいものがある。運動と腸活との関係を、うんち記録アプリを運営するウンログ(東京都渋谷区)の長瀬みなみさんに聞いた。
有酸素でひねる・ねじる運動
便秘と運動との関係について、様々な研究がされる中で、まだ統一した見解は発表されていないという。しかし、「運動はしたほうが良い」との見解が、研究者や医師の研究結果に共通している。とくに、「無酸素運動よりも有酸素運動」、「ひねる・ねじる運動」は、腸活的に「効果があると言えそう」とのことだ。理由は、有酸素運動を行っている実験の方が、排便への効果が高いものが多い。またひねる・ねじる運動は、腸管を刺激し、自律神経のバランスを保つために有用と考えられる。これは、便秘解消のために大切なことだ。
そのうえで、長瀬さんは「ウオーキング」を勧める。有酸素運動の代表格で、手軽に始められる。お腹に刺激を与えるために、少し早歩き程度で歩くと良い。また、足裏全体を使って地面を踏み込みながら歩くと、インナーマッスル「腸腰筋」が鍛えられる。それにより排便時の「押し出す力」がつき、「踏ん張りやすくなるので排便しやすくなります」。
1回15~20分程度からスタートし、そのあと自分の体力に合わせて時間を調整していこう。ジョギングも同じく有酸素運動だが、ウオーキングのほうが、足の踏み込みを意識しやすい。
次に「ヨガ」。「深い呼吸」で行う有酸素運動だ。ヨガのポーズの中には、ひねりやねじりを含むものが多く、腸管を刺激できる。そして、呼吸を深めることで自律神経のバランスが整う。腸は、自律神経のうち「副交感神経」が優位の状態でしっかり動く。深い呼吸で、心身をリラックスさせよう。
無酸素運動はタイミング大事
逆に、腸活の観点から避けたほうが良い運動はあるのか。
長瀬さんによると、「これだけはやめて!」という特定のものはとくにない。しかし無酸素運動は、「寝る前」には行わないほうが良いという。短距離走やバーベルを使った筋力トレーニングなど、短時間に大きな力を発揮する運動がこれにあたる。
「激しい運動(無酸素運動)を行うと、交感神経が優位になります」
その状態では、入眠しづらくなる。前述した通り、腸は副交感神経が優位な時に活発に動き、「睡眠中が最もよく動きます」。そのため、スムーズに眠りにつくためにも無酸素運動をする場合は時間帯を選ぼう。
また長瀬さんは、腸活では「筋肉バキバキ」を目指すだけではNGだと話す。
「腸も筋肉の『しなやかさ』がないとうまく動きません。お腹の柔らかさはぜひ観察するようにしてみてください。硬くなっていると感じる場合は、マッサージやストレッチなどであたためるようにしましょう」