「コロナ再拡大」英国やロシアで デルタ株より感染力強い変異株か

   日本では新型コロナウイルスの感染が急減したが、ロシアや英国ではこのところ急増、過去最高レベルになっている。いったん下火になったかに見えたコロナ禍がなぜ再発しているのか。日本は両国の状況から何を学び、教訓とすべきなのか。

日本でも「ブースター接種」が始まる予定
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ワクチン未接種者は自宅待機

   米CNNによると、ロシアでは1日当たりの症例数や死者数がこのところ何度も過去最悪の水準に達し、2021年10月20日には過去最多となる1028人の死者を記録した。モスクワでは28日から11月7日までロックダウンとなる。

   ロシアのワクチン接種率は約30%。モスクワ市はすでに、60歳超のワクチン未接種者全員と慢性疾患を患っているワクチン未接種者に対して、来年2月下旬まで4か月間の自宅待機を指示している。

   ロイターによると、ロシアでは21日、デルタ株よりも10%ほど感染力が強いとみられる新型コロナウイルス変異株の感染が複数確認されたという発表があった。

   このほか、韓国中央日報によると、「欧州のコロナ模範国」と呼ばれていたラトビアも18日からコロナ封鎖措置を施行。ラトビアは昨年のパンデミック発生以降、一日の感染者数が3000人未満に維持されてきた。しかし今年7月に30人ほどだった感染者数は先月末から1000人を超え、現在も増えているという。

感染者1日5万人

   コロナの感染者は英国でも増えている。毎日新聞によると、英政府は7月19日、早々と首都ロンドンを含むイングランドでコロナ対策の行動規制をほぼ撤廃していた。8月には一日3万人前後だった新規感染者は、10月18日には4万9156人。過去3か月で最多となった。21日には5万人を超えた。

   BBCニュースは感染増の理由を掘り下げている。英インペリアル・コレッジ・ロンドンの調査によると、英国では独仏の人たちに比べて、マスクをしない人の割合が高い。また、欧州の近隣諸国に比べて、公共交通機関を使う割合がわずかに高く、外出を避ける割合が低いという。

   英国はワクチン接種を他国に先行して大々的に進めていた。ワクチン効果は数か月で薄れるとされているため、早かったからこそ、今になって感染者が他国より多くなってきた可能性もあると指摘されている。

ブースター接種を急ぐ

   毎日新聞によると、英国では専門家からは、屋内の公共スペースでのマスク着用の義務化などの規制を再導入すべきだとの声が強まっている。ジャビド保健相は20日、現段階では規制を再導入する考えはないとしながらも、1日10万人の新規感染者数にまで増える可能性に言及したという。

   英国では9月から、50代以上で2回目のワクチン接種後6か月以上が経過した人らへの追加接種を始めている。しかし、従来の2回の接種に比べ、件数の伸び悩みも指摘されており、政府は対象者に対して追加接種を勧めているという。

   日本でも医療従事者など5月までに2回接種を終えた人を対象に12月から追加接種が始まる予定だ。

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