新型コロナの犠牲1万8000人超え 東日本大震災の死者・行方不明者数に迫る
新型コロナウイルスによる国内の死者数が、東日本大震災の死者・行方不明者数に迫っている。特異な感染症の広がりと巨大地震による災害は、発生原因などが異なるので単純比較はできないが、コロナ禍の被害規模を知る手掛かりにはなりそうだ。
コロナ「関連死」は?
朝日新聞の2021年10月20日のまとめによると、19日段階の新型コロナウイルスによる国内の死者は1万8141人。前日より27人増えた。
東日本大震災の死者は、今年3月1日段階の警察庁のまとめによると、12都道県で1万5900人。行方不明者は6県で2525人。
東日本大震災の死者・行方不明者を合わせた人数に、コロナ禍の死者数が刻々と近づいている。
東日本大震災では、このほか「震災関連死」も多かった。河北新報の集計によると、今年1月末現在の関連死者数は全国3773人に上っている。長引く避難所生活で体調が悪化したり、将来を悲観して自殺したりしたケースだ。県別では福島の2318人が最も多い。
コロナに関しては、「関連死」は、はっきりしていないようだ。
飲食店は1割が閉店
東日本大震災は、広域的に被害をもたらした。しかし、上記のように直接の死者は12都県にとどまっていた。これに対し、コロナ禍は北海道から沖縄までまん延し、死者も全国に広がって、現在もまだ進行中だ。
19日の国内の新規感染者数は、367人にとどまったが、これまでの累計感染者数は171万715人に上る。今も入院・療養中が6031人。退院・療養解除となった人の中にも、長引く後遺症に苦しんでいる人が少なくない。5度にわたる緊急事態宣言などで、社会・経済全般に与えたダメージも大きい。
17日の日経新聞は、コロナ禍で全国の飲食店の約1割に当たる4万5000店が閉店に追い込まれたと報じている。通常年の閉店は年に1~2万店だという。
総務省のサービス産業動向調査によると、飲食店の従業員は今年7月時点で368万人。コロナ前の20年3月と比べて40万人ほど減ったと同紙は伝えている。雇用にも深刻な影響を与えている。