地震でエレベーター停止に大慌て タワマン住民はエントランスで「帰宅困難者」
最大震度5強を観測する強い地震が、2021年10月7日夜に首都圏を襲った。水道管の破裂に交通機関の乱れなど、夜遅くから翌朝にかけて多くの人の生活に影響が及んだ。
この地震により、首都圏ではオフィスビルやマンションでエレベーターが停止する事態が相次いだ。ツイッターには、地上と高層階を自力で移動することへの嘆きが書き込まれた。
EXIT兼近「超高層階登頂苦行」
NHK NEWS WEB(2021年10月8日付)によると、この地震で、首都圏を中心に5万5800台のエレベーターが停止したという。
これでとくに困ったのは、タワーマンションの住民だ。ツイッターには、エレベーターが利用できなくなりエントランスで立ち往生、建物にいながら「帰宅困難」になった人、数十階目指して階段をひたすら上った人の投稿が複数見つかった。地震発生時に所用で高層階にいて、地上まで階段ひたすら下りたというツイートもあった。
お笑いコンビ「EXIT」の兼近大樹さんも、7日夜に自身のツイッターに「兼近はタワマン超高層階登頂苦行を行います」と投稿した。エレベーターが停止したため、階段で上ろうとしたようだ。
中には、エレベーター利用中に地震が発生し、出られなくなった例もある。前述のNHKの記事では、今回の地震でエレベーターに閉じ込められたケースが東京都や神奈川県、千葉県、埼玉県で合わせて28件あったという。いずれも消防などによってすでに救出されたが、それまでは不安だったに違いない。
揺れ始めたらすぐ「全ての階」のボタン押す
もしエレベーターが昇降中に地震が発生したら――。日本エレベーター協会の公式サイトには、地震発生時の安全対応についての記述がある。
利用時に揺れを感じたら、まず自分ですべての行先階ボタンを押し、最初に停止した階で降りるようにする。揺れを感じると、最寄り階で自動的に停止する安全装置がついたエレベーターもあるが、まずは自力でできることをしよう。
無理に脱出しようとすると、非常に危険だ。扉が開かず、閉じ込められた場合は「エレベーターは必ず外部と連絡がとれるような装置がついていますので、状況を正確に通報し、救助をお待ちください」とある。
ソフトバンクが運営するウェブマガジン「ソフトバンクニュース」にも、エレベーター乗車中に地震が発生した場合の対処法が公開されている。同じように「揺れを感じたらすぐに、すべての階のボタンを押す」と書かれている。
もし出られなくなったら、インターホン・非常ボタンを押して、管理センターへ通報。通じなければ、携帯電話で管理センター、または消防・警察へ通報を試みる。扉の外に人の気配がしたら、カバンで扉を叩くなど、音を出して存在を知らせると良いとある。
なお、マンションの高層階に住んでいるなら、エレベーターが長期間にわたって停止したときに備え、1週間程度の水と食料備蓄をあらかじめ用意しておくことを勧めている。