リモートワーク「完全導入」職場で実現したら 地方出身者はUターン考える?
新型コロナウイルスのまん延に伴い、リモートワークや時差出勤を導入する企業が増えた。そんな中、NTTグループは、社員の転勤や単身赴任を原則廃止し、リモートを基本とした業務形態を2022年度中に導入する。トヨタ自動車は、社員の居住地を縛らない、距離制限を撤廃したリモート制度を設けたと報じられている。
就職のため地方から大都市へ来る人は多い。しかし、もし自社に完全リモートワーク制度が導入されたら、地方から来た人たちは生活費の高い都市部から地元へUターンする選択肢もあるのではないだろうか。J-CASTトレンドは、地方出身者3人に取材した。
仕事はリモート派だけど...
コロナ前であれば、大都市は数多くの娯楽が楽しめた。今は感染リスクから、数多くのエンターテインメント施設や飲食店の利用が制限されている。家賃も物価も高い。在宅勤務が続けば、都市部在住者が「地方移住」を考える人もいるという。
滋賀県出身の女性Aさんは、東京に来て6年目。仕事は、出社よりも在宅で行いたい方だという。しかし、フルリモートが導入されても、地元に帰るつもりはないそうだ。理由に、交友関係が首都圏で築かれていることや、都会の便利さをあげた。また、
「なんとなく『その他大勢』に紛れられる感じも好きです」
と明かす。地元の狭いコミュニティーでの「全員知り合い」という状態と違い、街に出ても、知り合いに会わずに済むことや近所付き合いの希薄さを理由に挙げた。たまに帰省するくらいが心地いいとのことで、「家族と会えないのは寂しいけれど、とくに現状に不満は感じていない」という。
上京して12年近い長野県出身の女性Bさんは、週4回、在宅勤務をしている。自宅の方が会社よりもパソコンや通信環境が整っていることに加えて自炊がしやすいことや、通勤時間を理由に在宅での業務の方が肌に合っていると話した。しかし、Uターンは希望していない。仕事上は「実家でも問題がなさそうで、かつ家賃の節約になる」としつつも、
「長く一人暮らしをしているため、東京での暮らし・利便性に慣れてしまったこと、親にも親の暮らしがあるので、迷いどころ」
と、簡単には決断ができない理由を示した。
故郷の風習や空気が苦手
大阪在住8年以上になる男性Cさんにも聞いてみた。部署異動でリモートワークができなくなったというが、「リモートでもいいけど出社したい時にできる環境が最適」と話した。フルリモートになっても、故郷の風習や空気が苦手なため、帰らないという。しかし、「拠点を移しながら仕事するのには憧れる」そうだ。