Jリーグ「転売ヤー」に鉄槌 横浜F・マリノス、浦和レッズ、川崎フロンターレ

   サッカー・J1の横浜F・マリノスが、チケット転売者に重い処分を課した。公式サイトで、「チケット転売仲介サイトで転売行為を行った数名」に対し「トリコロールメンバーズ(公式ファンクラブ)年間チケット会員の強制退会処分」、「当該会員の買い求めたチケット無効」「8月21日仙台戦、8月28日鹿島戦のスタジアムへの入場お断り」とした。2021年9月3日に発表した。

   マリノス以外にも、今年に入ってからチケット転売に対して厳しい措置を取った例がある。同じくJ1の川崎フロンターレと、浦和レッズだ。

サッカー・J1の複数チームがチケット転売者に厳しい対応
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「感染者が発生した場合の個人特定が困難」

   3月8日に川崎フロンターレは、公式サイトでチケット転売者への対応にまつわる注意喚起を行った。その中で、チケット転売仲介サイトや、フリマアプリでの川崎フロンターレホームゲームのチケット転売が確認されたことに触れ、

「今般のチケット転売の事実が確認された後援会会員に対して、『川崎フロンターレ公式ファンクラブ〈後援会〉会員組織細則』第12条に基づき退会処分としました」

としたうえで、警察とも協力し、「悪質な対象者に対しての対応方法」について調整をしていると明らかにした。

   一か月前の2月8日にも「川崎フロンターレホームゲームのチケット転売禁止について」と題して警鐘を鳴らしている。新型コロナウイルス感染予防対策のためスタジアムの収容人数が制限され、チケットを買いたくても買えない人が多い状況を踏まえ、「本当に試合を観戦したい方にチケットが行き渡る」ために転売をやめてほしいという。さらに、「万が一試合会場で感染者が発生した場合の個人特定が困難となる」点も、転売行為を禁止する重要な理由の一つだ。

   浦和レッズは21年6月2日に、「チケット転売者のREX CLUB強制退会処分について」公式サイトで発表した。チケット転売仲介サイトで出品が確認され、スタジアムでの現地確認において転売が特定された会員を、ファンクラブから退会させたという。

悪質な事案に「然るべき対応」

   今回、チケット転売者への処分を発表した横浜F・マリノスは、非常に厳しい言葉で転売行為を非難している。

「入場者制限が続き、チケットをお買い求めいただけない方が多くいる中でのこのような転売行為は、クラブとして許すことはできません」

   さらに今後も引き続き、顧問弁護士と連携し、チケットジャム、チケット流通センターなどの転売サイトやSNSにおいて独自の調査を継続し、悪質な事案に対しては「然るべき対応」を行うという。同クラブは、「チケット不正転売禁止法」の要項を満たす「特定興行入場券」としてホームゲームチケットを販売しており、違反者には1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、またはその両方が科せられるという罰則を設けている。

   チケット購入は正規販売ルートを使い、購入後に行けなくなってしまった場合は、公式リセールサービスを利用することが求められる。転売者としてチケットを出品しないだけでなく、不正なルートから「買わない」ことも大切だ。

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