「夏の甲子園」順延6度で日程が心配 期間延長は? 阪神の試合遅らせる?

   今年の「夏の甲子園」は悪天候により、これまで試合を6度順延してきた。もともと3日間の休養日が組み込まれていたが、うち2日間が消滅。決勝は当初予定の2021年8月25日から、29日へとずれこんだ。

   31日にはプロ野球で甲子園をホームとする阪神タイガースの試合が控えており、日程を消化できるかギリギリの様相だ。また雨天順延なったらどうなるか、心配だ。

8月9日の第1日も台風9号の影響で順延した
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阪神はナイター、昼に決勝もアリか

   J-CASTトレンドの取材に応じたスポーツライターのオグマナオト氏は、「東京五輪の影響で日程が後ろにずれ込んだ影響はあるにせよ、それでも当初予定では夏の高校野球閉幕から阪神の公式戦まで約1週間空けており、余裕を持たせています」と指摘する。本来は決勝予定日の8月25日から、阪神が試合で甲子園を使用する31日まで6日空いていた。

   阪神側は「夏の甲子園」に最大限配慮した年間スケジュールをあらかじめ組んでおり、最初から譲歩しているというのだ。さらに甲子園球場は無料で高校野球に貸し出されており、大会の開催による収益性は低い。甲子園での阪神戦日程を9月以降まで遅らせるのは、「ビジネス上厳しい」と分析した。

   今後また順延が続けば、阪神の試合日と重なり得る。その場合、まず考えられる方策は「日程をやりくりしてなんとか終わらせる」ことだ。

   予定が入っていない8月30日、さらに31日、つまり阪神が試合を行う当日にまで食いこんでも、昼間での決勝実施が選択肢になり得る。この日の阪神はナイターだ。

「どこまでが(阪神側と)交渉できるラインなのか、検討するのではないかと思います」

   大会規定では「天候などによる順延でやむを得ない場合」は、準決勝と決勝を同日に行う「変則ダブルヘッダー」も認めている。だがオグマ氏は、ダブルヘッダーや残り1日の休養日の取り潰しは、球児への健康の配慮から極力行わないのではないかと推測した。

「4校同時優勝」という選択肢

   それでも日程が消化しきれなくなった時には、可能性は低いものの、「阪神との交渉の末、日程をさらに後ろにずらす」ことが考えられるとオグマ氏。阪神の試合日程を変更しつつ、夏の甲子園の試合を9月1日以降に延期する選択肢だ。

   1975年の大会でも雨天順延が続いて、阪神の試合日程と決勝が重なり、阪神側が公式戦を後日に振り替えた。高校野球がプロ野球よりも優先された事例だ。「今回も阪神サイドが譲歩して(甲子園での試合を)譲ってくれる可能性はあるかもしれません」。

   これすらも難しい場合、「第3の道を検討した方がよい」とオグマ氏は主張した。その例として「4校同時優勝」を挙げた。甲子園では前例がないが、国民体育大会の高校野球では1979年、雨天で準決勝が打ち切られたため、4校優勝となった事例がある。

   日本気象協会の予報サイト「tenki.jp」によれば、甲子園が位置する兵庫県西宮市の天気は8月19日〜27日まで1日中晴れる日はなく、「曇時々雨」「雨時々曇」「雨のち曇」と雨混じりの日が続く。

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