コロナ禍で低下する子どもの学習意欲 「やる気スイッチ」押すにはどうすれば
総合教育サービス事業を手掛けるやる気スイッチグループ(東京都中央区)は、コロナ禍の子どもの学びと習い事に関するアンケート調査を実施。2021年6月30日に結果を公表した。
調査から、保護者が抱える子どもへの心配ごとや、新型コロナウイルスの長期化によって生じている学習時間の変化などが明らかになった。
コミュニケーション不足が心配
調査対象は、やる気スイッチグループの個別指導学習塾「スクール IE」などに通う2~18歳の生徒の保護者1996人。
まず、「コロナ禍でのお子さまの成長において困ったこと・悩み」について、選択式で質問した。すると、全体の約7割が「楽しみにしていたイベントの中止」(68.6%)と回答した。次に「運動不足」(47.9%)が挙がり、「子どもの居場所不足」(38.7%)と続いた。なかでも、子どもの居場所不足に関する悩みは、2020年4月調査時の18.4%から倍増していた。
自由回答では、友人と遊ぶ機会が減ったことで、同年代とのコミュニケーション不足を心配する声や、ゲームやスマートフォンの時間が増えたなどの悩みが保護者から挙がった。
新型コロナの長期化で、学習時間にも変化が見られた。調査では、生徒の約3人に1人(31.4%)が、2020年と比べて塾に通う回数やコマ数が増えたと回答した。塾の費用についても、過半数以上の56.2%が昨年と比べて「増えた」と答えている。
調査は、2021年5月14~16日にインターネット上で実施された。
子どもの話を否定せずに聞き入れる
J-CASTトレンドは、スクールIE事業本部営業企画室の石井雄一氏に取材した。コロナ禍での子どもの学習意欲について、石井氏は「学習に関するやる気を失いがちなお子さまも多くいらっしゃるようです」と話す。また、仮にやる気はあっても、日常生活に様々な制限がかかることで、勉強以外の面でストレスを抱える場面が多くなりがちだと指摘する。さらに、コロナ禍では子どもも自宅にいることが多く、その日に外で起きた出来事について、親子で会話すること自体が少なくなっているそうだ。
そうした中で、子どもの「やる気スイッチ」を押すにはどうすればよいか。石井氏は、信頼関係をつくり、良好なコミュニケーションを維持すること、子どもの今の状態を知ることが、スイッチを入れる第一歩だと考えている。
信頼関係を築くには、子どもの話を否定せずに聞き入れ、子どもが話したいことを親が引き出すよう努めよう。たとえ結果が伴っていなくても、プロセスに少しでも進歩があった時には「頑張ってくれて嬉しい」と伝えることも大切だという。「子どもは自分の味方だと思ってくれることで安心し、自発的に目標に取り組むことができるようになります」。石井氏は
「まずはお子さまが今一番興味をもっていることに耳を傾けてみてはいかがでしょうか」とアドバイスした。