「東京・立ち入り禁止」 都心で、湾岸で、五輪会場は高い壁と警官だらけ
東京五輪の開会式が、2021年7月23日に迫ってきた。今回、東京をはじめほとんどの会場が無観客で行われる。それでも、直前の都内の各会場付近は立ち入りが規制されている。
歴史的にも例を見ない「東京・立ち入り禁止」――。J-CASTトレンド記者は都内の各会場を7月20、21日に取材した。
お台場海浜公園:現れた真っ白の「壁」
トライアスロンの会場になっている「お台場海浜公園」(東京・港)。記者は「ゆりかもめ」の「お台場海浜公園駅」で下車し、公園に向かって歩いた。公園側は、2メートルを超えるほどの真っ白の「壁」ができていた。
白い壁に沿って、歩く。壁は途切れることなく続く。公園の中は見えない。
お台場の「自由の女神像」が見えるまで10~15分ほど歩く間、赤のストラップに五輪のエンブレムが入った、証明書らしきものをぶら下げた人、警察官、警備員とひっきりなしにすれ違う。一般の人の姿はほとんどない。商業ビルを挟んで反対側の道路では、逆に一般の通行人ばかりだった。
東京ビッグサイト:石川や岐阜から警官が応援に
次に向かったのは、東京ビッグサイトだ。国際放送センターとメインプレスセンターがある。当然許可がなければ、入れない。
お台場海浜公園同様、厳重な警備体制が敷かれ、白い壁で囲われている。大型の警察車両が停車していた。すれ違う警官のベストには、「石川」や「岐阜」の文字が。各地から応援で派遣されていることがわかる。
赤いストラップをかけ、五輪グッズを身に着けた外国人の集団と多数すれ違った。各国から来た記者だろうか。
東京国際フォーラム:道路はしっかり封鎖
都心にある会場はどうなっているのだろう。ウエイトリフティングが行われる、「東京国際フォーラム」(東京・千代田)に向かった。
最寄り駅の東京メトロ有楽町線・有楽町駅で降りると、「東京2020大会開催に伴う東京国際フォーラム通行止のお知らせ」という貼り紙が目についた。7月1~9月29日まで、有楽町線直結のD5出口とJR京葉線直結の4番出口が使えないとの告知だ。
地上に出ると、関係者よりも一般の通行人が多く歩いていた。東京国際フォーラム近くの道路はフェンスで封鎖、その奥もカラーコーンや、コンクリートの重りがついたフェンスで、しっかり立ち入りを禁じており、それを知らせる立て看板も設置されている。
珍しいようすに、一般人が撮影する様子が見られた。
国立競技場:千駄ヶ谷駅に戻れない
開会式が行われる「国立競技場」(東京・新宿)。JR中央線・千駄ヶ谷駅で降りた。
目の前の東京体育館は、すっかりフェンスと白い壁で囲われていた。壁に沿って競技場へ向かうと、ちょうどブルーインパルスの予行演習が行われることもあり、報道関係者や一般人が、道路を埋め尽くしていた。熊本県警の警官がメガホンを使い、道路へはみ出ないよう注意していた。
その様子を眺めながら、流れに沿って歩く。国立競技場をぐるりと一周して千駄ヶ谷駅に戻る予定が、一向に駅につかない。あちこち通行規制されていて、千駄ヶ谷駅に戻るには、元来た道を戻るしかなかったようだ。仕方なく、東京メトロ銀座線・外苑前駅まで歩いた。