「ワクチンファッション」爆誕 接種しやすく女性が肩を大胆に出して

【連載】浦上早苗の「試験に出ない中国事情」

   日本国内ではワクチンの大規模接種が始まり、SNSでも接種報告をよく見かけるようになった。日本人にとって関心が高いのは接種後の副反応のようだが、一足先に接種が進んだお隣の中国では、「ワクチン接種にぴったりのファッション」がSNSでトレンドワードになり、袖をまくらなくても接種できる「肩出しトップス」が大流行した。

   一説によると、肩出しトップスの売り上げを1割押し上げたという。

確かにこれは、接種しやすそう。撮影したのは誰なのだろう、会場の撮影自由なんだなと、想像が膨らむショット
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ワクチンロマンスを期待?

「1回目の接種で出会って、(メッセージアプリ)WeChatの連絡先を交換した。2回目の接種は一緒に行った」

   中国でワクチン接種が本格化した春先、中国版インスタ「RED(小紅書)」に、こんな文面が添えられた接種会場での自撮り投稿が拡散した。

   ワクチンロマンスの真偽は知る由もないが、その女性は肩を露出したトップスを身に着けていた。

   同じころ、ミニブログのウェイボ(微博)では、ハッシュタグ「ワクチン接種にぴったりのファッション」がトレンド入りし、接種した女性たちが当日のコーディネートを投稿する大喜利状態となった。

   ほとんどの女性が着ていたのは、やはり肩出しトップス(たまにタンクトップの猛者もいた)。袖をまくる必要がないため接種しやすく、女子力もあがる。一石二鳥というわけだ。

   REDやウェイボに投稿された中から、彼女たちの装いの一部を紹介しよう。

   多かったのが当日のコーディネートと、接種記録を同時に投稿するパターン。この服だと結局袖をまくらないといけないのではと気になった。


   ハッシュタグが大拡散した4月は、まだ肌寒い時期。映り込んでいる通行人がみな長袖の中、真夏ファッションで接種に向かおうとする女性に、「ワクチン打つ前に風邪ひくよ」と心配になる。


「JKファッションとの融合」も

   ジャケットを羽織るという現実的な折衷案がこちら。


   リボンが邪魔にならないのかな。もう本末転倒では。


   中国で最近流行している「日本のJK(女子高生)風ファッション」と、肩出しの融合。


   ちなみに大規模接種がピークだった4月は、ECサイトで女性向け肩出しトップスの販売が1割伸びたとのデータも複数見つけた。

   日本では若年層向け接種がこれから本格化するが、このようなトレンドが起きるのだろうか(たぶんない)。

浦上早苗
経済ジャーナリスト、法政大学MBA兼任教員。福岡市出身。近著に「新型コロナ VS 中国14億人」(小学館新書)。「中国」は大きすぎて、何をどう切り取っても「一面しか書いてない」と言われますが、そもそも一人で全俯瞰できる代物ではないのは重々承知の上で、中国と接点のある人たちが「ああ、分かる」と共感できるような「一面」「一片」を集めるよう心がけています。
Twitter:https://twitter.com/sanadi37

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