■宝塚記念「カス丸の競馬GI大予想」
クロノジェネシスの連覇なるか


   カス丸 はーい、ぼくカス丸きゃすう。今週はいよいよ春・GIの有終の美を飾る宝塚記念(2021年6月27日、阪神競馬場、芝2200メートル)だじぇい。ぜんぶで13頭の参戦だけど、無敗三冠馬のコントレイルは疲れが取れず、同じく無敗三冠牝馬のデアリングタクトはケガで欠場きゃすう。グランプリというには、ちょっと寂しいメンバーになったけど、昨年優勝のクロノジェネシスや大阪杯でコントレイルやグランアレグリアを封じたレイパパレなどが出走するからそれなりに熱い戦いになるきゃすう。梅雨時に行われるこのレースは、ときどきトンデモなく荒れるけど、穴狙いのカスヨ姉さんの本命◎はアリストテレスだじぇい。そんな大穴でもないきゃすう。


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クロノジェネシスの心配な点とは

   カスヨ まあ、今年は最初からグランプリ狙いという馬は半分くらいといわれていたから、実質は6、7頭の争いによるレースなのよ。だから穴狙いのわたしとしても、人気薄のトンデモ穴馬を選ぶわけにもいかないのよね。アリストテレスも人気の一角だからね。アリストテレスは昨年の菊花賞(GI、京都、3000メートル)でコントレイルを僅差まで追い詰めたから長距離馬と見られているけど、菊花賞自体は実質2000メートル走れればこなせるレースと言われているから、今年5月の春の天皇賞(GI、阪神、3200メートル)で4着だったことからも中距離馬と見ていいと思うわ。今年1月のアメリカジョッキークラブカップ(GII、中山、2200メートル)では不良馬場の中で優勝しているから、道悪適性はあるし、雨が降っても大丈夫。鞍上はレジェンド、ユタカちゃん(武豊騎手)に乗り替わるから安心だし、ここはチャンスのはずよ。

   カス丸 多少、人気が落ちるなかで好配当ねらいというわけきゃすう。春のGI絶好調でがっぽり稼いだガジュマル爺の本命◎はキセキだじぇい。こちらも7歳で人気が落ちるきゃすう。

   ガジュマル爺 7歳馬とはいってもわしに比べればまだまだ赤ん坊みたいなもんじゃ。実際、この馬は歳のわりには若いパワーがあるんじゃ。前走の香港、クイーンエリザベス2世カップ(GI、シャンティ、2000メートル)では4着に踏ん張ったのがいい例じゃ。海外帰りじゃが、今回は調教もパワフルで歳なんかまったく感じさせないものじゃった。ここ2年は逃げの粘りこみというイメージが強いが、もともとはそうでもなくいろんな戦法がとれる馬なんじゃ。4年前の菊花賞では、最終の4コーナーを回ったところで、なんと18頭立ての12番手だったんじゃが、一気に詰めて差し切った。その時が、強雨の中の不良馬場じゃ。前の馬の泥を浴びて真っ黒になってゴールに飛び込んできたすさまじい姿がいまも思い出されるわい。鞍上の福永祐一騎手は、この春日本ダービーを2連覇するなど大活躍じゃった。春競馬のフィナーレを飾るにはふさわしいジョッキーじゃ。「やっぱり、菊花賞馬は強い」ということを証明してくれるはずじゃ。

   カス丸 ふーん、でも最近はスタートが悪いきゃすう。ボーとして出遅れたり、行き脚がつかなかったり、やっぱり歳の影響もみられるじぇい。カスヨさんはそのキセキが対抗〇、爺はクロノジェネシスだじぇい。カスヨさんはクロノが単穴▲きゃすう。本命にしない理由は何きゃすう?

   カスヨ わたしの理由はハッキリしてるわよ。まずは前走がドバイでのレースだったことね。初の海外帰りという点でどうしても疲れが心配になるわ。第二は、昨年克服しているとはいえ牝馬にはつらい斤量(負担重量)56キロという点ね。そしてここが結構意外かもしれないんだけど、今回は鞍上が乗り替わりで、宝塚記念と相性の悪いルメールちゃん(クリストフ・ルメール騎手)ということね。まあ、馬の力はトップクラスだから、去年のようにあっさり大差で勝つこともあるかもしれないけど、競馬はその都度がらりと変わるからね。

   ガジュマル爺 わしもカスヨと似た理由じゃな。2着になったドバイシーマクラシック(GI、メイダン、2400メートル)から約3か月。たしかにレース間隔があいたとはいえ、気がかりなのは海外レースと慣れない長旅の、目に見えない疲れじゃな。鞍上も乗りなれた北村友一騎手(落馬負傷のため)が乗れないという点じゃ。これもどう出るかじゃな。

   カス丸 気になる週末の天気だけど、土曜の夕方から雨が降り出し、レース当日は昼くらいからそれなりに降るようだじぇい。最近よくあるゲリラ豪雨にやられたりしたら、結構重たい馬場になるきゃすう。そんな馬場で浮上する馬が要注意だじぇい。

梅雨の雨で浮上するのはどの馬?


   カスヨ 天気が悪くなれば、阪神2200メートルなら逃げ馬か先行馬が断然有利になるわね。内回りコースだから、最後の直線が短いからね。それに今年の宝塚は例年と違って、開幕4日目のレースなのね。いつもなら開幕8日目で、雨が降らなくても馬場が荒れた状態になるんだけど、今年はまだきれいなはず。雨が降らなければ高速馬場になる可能性もあったんだけど、雨がそれなりに降るとなると、雨に強い馬でかつ逃げるか先行できる馬ならゴールまで止まらなくなるわね。となると、一頭目はレイパパレとなるわ。ともかくこの馬はクラシックに間に合わなかったんだけど、デビュー以来6戦6勝よ。デビューが少し早ければ、あのデアリングタクトとクラシックで争ってひと泡吹かせたかもしれなかったわね。でも残念ながらそれは実現せずじまい。今年の大阪杯では不良馬場で最後の直線で2番手から抜け出し、コントレイルやグランアレグリアを完封したわ。その差が縮まるかと思ってみてたんだけど、逆に差が大きくなるばかりで、唖然としたわね。本当にデアリングタクトとクラシックを争って欲しかったわ。でも、今回は壁もあるわね。まずは、初めての斤量56キロという重さね。レイパパレは小型馬で430キロあるかないかなのね。大阪杯では55キロを背負って2着のモズベッロに4馬身の大差をつけたんだけど、斤量1キロで1馬身差という見方をすれば、1キロ増えても大丈夫となるんだけど、競馬はそんなに単純じゃないからね、どうかしら。それと今回はユニコーンライオンという逃げ馬がいる点も大阪杯と違うのね。ユニコーンライオンは前走の鳴尾記念(GIII、中京、2000メートル)で逃げ切り優勝よ。今年の中京競馬場は、3月、5月、6月と使い詰めだから、馬場が大荒れね。良馬場だったとはいえ、ボコボコの馬場を逃げて上がり3ハロン(最後の600メートル走破時計)が34秒1という上がり2位の速さだったから、どの馬も追いつけないわね。この馬は現在、2連勝で勢いもあるから要注意ね。最後にあげときたいのは、カデナよ。この馬ももう7歳なんだけど、デビューしたころは連対(2着以内)をはずさずクラシック候補といわれた馬だったわ。でもキセキ同様、いまも衰えはないわね。ラストは必ず伸びる脚をもっているから、稍重程度なら馬場もこなせるし3着くらいにくる可能性ならあるわよ。

   ガジュマル爺 わしはカレンブーケドールじゃ。道悪は問題なしの馬じゃ。前走の春の天皇賞は3着。4コーナーを2番手で抜け出したときは、オッと思わせたが、外からディープボンド、ワールドプレミアに差されてしもうた。重賞を勝つ力は十分にあるんじゃが、どうしても「あと、ひと押し」が効かないんじゃ。先行して良し、中団から抜け出すレースもできるんじゃが、今回はどうするのか。おそらく内枠を引いたレイパパレやユニコーンライオンの次あたりにカレンブーケドールは位置どるはずじゃ。戸崎圭太騎手が引き続き手綱を握るから、新たな一面を引き出せれば、初GIに手が届いてもおかしくないはずじゃ。最後に一頭、シロニイじゃ。雨が予想以上に降ったときは、この馬にもチャンスがくるはずじゃ。この春の3歳牝馬クラシックをにぎわせた白毛馬の一族じゃ。大活躍したソダシ(GI、桜花賞優勝)の母方の祖母にあたるシラユキヒメを母に持つのが、シロニイなんじゃ。もう7歳馬とはいえ、前走の天皇賞・春(阪神、3200メートル)は36戦目で初のGI出走じゃった。ダートを中心に、中距離から長距離を使われてきたキャリアをもつんじゃが、前々走の阪神大賞典(GII、阪神、3000メートル)は重馬場を苦にすることなく先行。しぶとさを見せ、アリストテレスより先着したんじゃな。泥んこ馬場なら、ダートコースの経験が生きてくるはずじゃ。手綱は、天皇賞・春と同じ、若手の松若風馬騎手じゃ。土砂降りになれば、先行粘り込みの超大穴じゃな!

   カス丸 ふーん、最後の最後に大荒れがあるきゃすう? でも、ここは有馬記念で本命◎にしたクロノジェネシスに再び本命◎印だじぇい。

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