2年以内に「5G」スマートフォンにしたい オンラインの下取りはデータの悪用が心配
データセキュリティを手掛けるブランコ・テクノロジー・グループは、オンラインでのモバイルデバイスの下取りに対する世界の消費者の意識を調査。2021年6月8日に結果を公表した。
新型コロナウイルスの影響で実店舗での購入が制限され、オンライン上で購入する人も増える中、本調査では日本人のモバイルデバイスや「5G」のスマートフォンに対する考え方が明らかになった。
オンラインでの下取り「便利」、「迅速」
調査の回答者は、日本、英国、米国、カナダ、ドイツ、フランスの6か国から1000人ずつ、合計6000人。日本人の回答に着目して結果を見ていこう。
まず、「5Gデバイスへのアップグレードを計画しているか」という質問。これには、日本人の54%が今後2年以内に「5G」のスマートフォンへのアップグレードを考えていると答えた。このうちの40%はアップグレードに伴い、古いモバイルデバイスを下取りに出すことを予定している。
続いて、下取りについて。72%がオンラインでの下取りプロセスを利用したことがない、と回答した。一方で、41%が将来的にオンラインでの下取りサービスを利用したい、としている。
では、オンラインでの下取りを好む日本人(34%)は、どこに魅力を感じているのか。調査によると、「自宅で手続きができるので便利」(70%)、「より迅速」(58%)と利便性を重視する項目の割合が高かった。
日本市場では高い透明性とセキュリティが必要
モバイルデバイスのアップグレードの際、現在使っているデバイスをオンラインプロセスで下取りに出さないのはなぜか。これには、「店舗でのカスタマーサービスや店舗での接客の方が好み」(57%)という理由が最多で、「データの悪用が心配」(51%)、「新しい端末が紛失/故障した場合や、友人や家族にあげるために取っておく」(51%)といった項目が続いた。
「不可視かつサポートのないプロセスを信頼していない」と答えた人も32%いた。これは、調査対象となった全ての国の中で最も高い割合となっている。同社はこの結果について、日本市場では他の地域よりもさらに高い透明性とセキュリティが求められている、と分析している。
また、同社のAPAC担当ディレクター森田将幸氏は発表資料内で「下取りは、新しいモバイルデバイスの購入費用を補助することによって消費者のアップグレード意欲を高める上で今後も重要な役割を果たすでしょう」と推測している。ただ、通信事業者や小売業者などはデータ保護とデバイスケアを保証し、消費者との信頼の構築が必要、とした。