「BTS」テーマに日韓オンライン読書会 見逃し配信もあり

   「Dynamite(ダイナマイト)」の空前の大ヒットで、世界中を魅了しているBTS。その楽曲をレビューした『BTSを読む』(柏書房)と、ファンとの関係を分析した『BTSとARMY』(イースト・プレス)。この2冊の著者を迎えてのブックイベントが、東京・神保町の書店CHEKCCORIで2021年6月5日にオンライン開催される。

BTS(C)FAMOUS
『BTSを読む』
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全楽曲を徹底レビュー

   BTSは韓国で、「防弾少年団(バンタンソニョンダン)」として13年にデビュー。ずば抜けた歌唱力とダンス能力で人気を不動にした。20年リリースの「Dynamite(ダイナマイト)」は、米ビルボードシングルチャート初登場1位、グラミー賞の「最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス部門」にもノミネートされた。アジアから世界の舞台に飛び出したK-POP史上最強のグループだ。

   『BTSを読む』(2020年9月刊)は、そんなBTSの音楽と人気を論じる初の本格的評論本。著者のキム・ヨンデさんは音楽評論家で文化研究者。韓国大衆音楽賞選定委員。延世大学経営学科卒。米国ワシントン大学音楽学博士課程修了。米国ポップミュージックのマーケットとK-POPの動向を観察、研究している。著書に『90年代を飾った名盤50』『韓国ヒップホップ 熱情の足跡』(いずれも未邦訳)などがある。

   18年までにBTSが発表した全楽曲を徹底レビュー。さらに全世界を巻き込んだ「BTS現象」を、韓国音楽界の重鎮や作曲家、文学評論家、ジャーナリスト、グラミー賞投票者など各界の専門家のインタビューを交えながら掘り下げている。

   BTSは、「ARMY」と呼ばれる世界各地に広がる熱狂的なファンに支えられている。『BTSとARMY』(21年2月刊)はその「ARMY」との関係を掘り下げている。著者のイ・ジヘンさんは、梨花女子大学卒。米カリフォルニア芸術大学で芸術学修士(映画演出)、中央大学先端映像大学院で映画学博士(映画理論)。現在は中央大学で映画についての講義を担当している。

   翻訳は両書とも韓国通のライター、桑畑優香さん。「ニュースステーション」ディレクターを経てフリーに。延世大学語学堂、ソウル大などでも学んだ。

学術研究の対象に

   朝日新聞は21年5月22日、「BTS人気、もはや世界の研究対象」という記事を公開している。この記事を担当した大部俊哉記者によると、BTS人気は今や、学術的な研究対象になっているという。

   20年1月には、英国のキングストン大学で「BTS学会」が開かれた。世界20か国以上から社会学、経済学、文学、音楽といった幅広い分野の研究者や学生など140人以上が参加し、BTSについての研究内容を発表したという。桑畑さんも英国に飛んでこの会議に出席したそうだ。

   「BTSと教育学」「BTSの歌詞の文化的側面」「BTSが健康や福祉に与える影響についての研究」――。発表内容には多彩なテーマが並び、韓国や英米のほか、メキシコやスロベニア、ハンガリーなどからの参加者もいたという。

   BTSは、18年には国連児童基金(ユニセフ)の会合で演説したこともある。その内容を聞いた桑畑さんは、「BTSの歌には普遍的なメッセージがある」ということを再確認したという。調べてみると、BTSの歌詞は世界中のファンによって様々な言語に翻訳され、SNSで広がっているそうだ。

   単なるアイドルファンにとどまらず、ハイレベルの音楽通や、意識高い系のオトナ女子からも熱視線を浴びているのがBTSの大きな特徴となっている。

事前に質問も受け付ける

   今回のオンライン読書会では、日本の読者と、韓国在住のキム・ヨンデさん、イ・ジヘンさんをオンラインでつなぎ、日本語の通訳を交えて話を聞く。翻訳者・桑畑優香さんが対談の進行を務める。申込み時にキム・ヨンデさん、イ・ジヘンさんへの質問も受け付けている。

   開催は5日13:00~15:00。当日オンタイムで見られない人や、急にキャンセルとなった人などには、5日間有効の見逃し配信が可能。

【参加費】
・イベント参加券1500円
・イベント参加+『BTSを読む』セット券3900円
・イベント参加+『BTSとARMY』セット券3460円
・イベント参加+2冊セット券5400円
   書籍セット券は税、送料込み。

【申込方法】
イベントの申込みは、 Yahoo! JAPANのデジタルチケット「Pass Market」のシステムを使用し、オンラインによる事前申込と連動したイベント代金前納(クレジット決済)をもって受付完了となる。

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