新型コロナ感染者数が連休中に増えなかった でも全然安心できないワケ
コールデンウイーク(GW)期間中、新型コロナの感染者はさほど増えなかった。東京や大阪では連休前の水準をやや下回った。3回目の緊急事態宣言による営業自粛や行動抑制などの呼びかけが効果を表したのか。
重症者数は過去最高
厚生労働省のウェブサイトに、全国の感染者(陽性)数とPCR検査数が掲載されている。それによると、感染者数は5月4日が4072人、3日は4458人。GW前の4月28日の5788人や24日の5433人よりも減っている。
大阪もGW前は1200人前後だったが、GW最終日の5月5日は600人台に。東京も一時は1000人台になっていたが、GW後半は600~700人台に下がった。
しかし、これをピークアウトと見るのは早計のようだ。実はGW中は検査数も減っている。同じく厚労省のサイトによると、全国の検査者は5月4日が2万7746人、3日が4万4186人。これに対し、4月28日は6万8106人、24日は5万8221人、23日は9万1286人。GW前は1日10万人を超えた日もあった。
当然ながら東京都などの検査数もGW中は減っている。概ね通常の日曜日並みになっている。日曜日の感染者数は平日よりも減少する。同じような現象がGW期間中に起きていた可能性がある。
一方で全国の重症者数は増えている。すでに1100人台になり、第3波のピーク時を超えて過去最高になっている。
96%が緊急事態宣言の効果に疑問
菅義偉首相は5月5日、「人流については間違いなく減少した。効果が出始めているのではないかなと思う」(共同通信)と語った。この発言に関連して、Yahoo!が「緊急事態宣言の効果、『出始めている』と思う?」とインターネットで問いかけたところ、5日の22時過ぎの段階で投票数7万7484票の約96%が「そうは思わない」と回答した。首相の発言と、ネットユーザーの受け止め方が異例なほど大きなズレを見せた。
NHKによると、東京、大阪、兵庫、京都の5月3日の人出は、確かに2回目の宣言時と比べるといずれも減少した。しかし、去年の1回目の宣言時と比べると大幅に増加していた。東京周辺の観光地の人出が多かったことも報じられている。
政府もピークアウトには程遠いとみているようだ。各メディアの報道によると11日までの緊急事態宣言の期限を、2週間から1か月程度延長する方向で検討しているという。
ちなみに第1回の緊急事態宣言は昨年4月7日から5月6日まで。期限切れ直前の5月4日に31日までの延長が決まった。しかしGW明け5月7日の感染者数は全国で97人に留まっていた。