パソコンや家電は「コロナ特需」 3度目の緊急事態宣言ではどうなる
コロナ禍にもかかわらず、この1年、売れに売れした商品がある。パソコンだ。前年に比べて5割以上の伸びだという。巣ごもり需要で、いわゆる白物家電も絶好調。3度目の緊急事態宣言で「特需」はさらに続くのか。
ノートパソコンは5割超の増加
電子情報技術産業協会(JEITA)によると、2020年度のパソコンの国内出荷台数は、前年度比27.5%増の1208万3000台。とりわけノートパソコンの伸びは目覚ましく、1077万5000台。前年度に比べて56.1%も増加した。出荷台数が1000万台を超えるのは初めてだという。
パソコンは、ズームなどを利用するテレワークの必需品。スマホだけでは社内外とのつながりが保てず、仕事にならない会社が多い。さらに政府の「GIGAスクール構想」も需要を後押ししたという。小中学生に1人1台のパソコンなどを配備備するという政策だ。
白物家電といわれる冷蔵庫や洗濯機なども買い替え需要などで売れた。日本電機工業会によると、20年度の国内出荷額は、前年度比6.5%増の2兆6141億円。中でも空気清浄機は前年度から倍増の1094億円。薄型テレビも、6年ぶりに出荷台数が500万台を突破したという。
ゲームのソフトやハードも好調が伝えられている。
量販店は厳しい見通し
コロナ禍では1人10万円の給付金をはじめとして、様々な支援策が講じられた。それらが売り上げに貢献した一面もありそうだ。
4月25日からは、3度目の緊急事態宣言。またしても巣ごもり生活を強いられることになる。パソコンや家電、ゲーム機などの「特需」はまだまだ続くのか。
4月21日の朝日新聞経済面は、「白物家電バブル」について専修大学の中村吉明教授(産業政策論)に見通しを聞いているが、「家電は一度買えば、次の買い替えまで間が開く」「コロナで収入減の世帯が増えており、今後は財布のひもを締める方向に傾くのではないか」「再度の給付金は期待できない」などから、「特需は20年度限り」と手厳しい。
販売サイドも手綱を締めているようだ。4月20日の日経新聞によると、量販大手のヤマダホールディングスは、21年度3月期は好業績だったが、22年3月期の売上高は前年比4%減を想定しているという。巣ごもり需要は一服し、給付金の反動もあると見込んでいる。