地震頻発「トカラ列島」「悪石島」どんな島 気候は温暖、20年前に「震度5強」も
連日のように地震が起きている「トカラ列島」。鹿児島県側の薩南諸島に属した島々だ。
気象庁によると、2021年4月9日から12日朝6時半までの間に、トカラ列島近海を震源とする震度1以上の地震が合計199回観測された。13日だけでも、18時現在で5回も地震が発生している。現地の様子を取材した。
5年前にも1か月間に地震21回
「トカラ」と呼ばれる「十島村」は、屋久島と奄美大島の間に7島の有人島と5島の無人島からなる。南北に長く、温暖多雨で夏季は台風が頻繁に通過する。「トカラ」は漢字で書くと「吐噶喇」。非常に個性的だが、その名の由来については不明だ。沖縄・奄美地方で沖の海原を意味する「トハラ」から派生した、「宝島」の「タカラ」から派生し列島全体を指すようになった、など諸説ある。
J-CASTトレンドが十島村役場総務課に取材すると、トカラ列島では2000年にも今回同様群発地震が発生したと担当者が話した。
気象庁が公式サイト上で公開している資料によると、2003年8月には、震度2以上を観測した地震が8回発生し、最大震度4だった。2016年2月3日からもトカラ列島近海で地震活動がやや活発になっていた。以後、同年2月29日までに、最大震度1以上を観測した地震が21回発生している。
村役場の担当者は地震発生時の対策として、「家具の固縛や避難経路の確認、雨天時についても緩んだ地盤への土砂災害の警戒等、防災無線による呼びかけを行っています」と説明した。
役場は断水に備えていた
2021年4月9日から12日朝までに199回観測された地震のうち、十島村の「悪石島」では震度4の強い揺れが4回観測されている。
悪石島もまた、個性的な名前だ。「島のあちこちに石があり、崖から落ちてきそうだから」や、「平家の落人が、追手が来たがらないような名を付けた」など、その名の由来はこれまた諸説あるそうだ。十島村役場の公式サイトによると、悪石島は2018年3月31日時点で、島民の数は35世帯73人の非常に小さな島。断崖絶壁に囲まれ、仮面神「ボゼ」に象徴される神々の島とされる。島の各所には神々がまつられており、島民は日々の平穏への祈りを捧げるという。
悪石島付近でも、過去に地震が頻発した時期があった。2000年10月には、1か月間に最大震度2以上を観測した地震が46回発生している。このうち、マグニチュード5.9、最大震度5強の地震もあった。
取材に答えた村役場の担当者は、「断水時の対策として、悪石島へ生活用水、飲料用水等の準備を進めています」と説明した。