「鳥獣戯画」を「動く歩道」で見る 時間軸をなぞりながらゆっくり味わう

   コロナ禍で開催される展覧会で、異例の試みが行われる。入館者は「動く歩道」で作品を見るのだ。2021年4月13日から東京国立博物館で開催される特別展「国宝 鳥獣戯画のすべて」展。このところ、「かわいい」ということでグッズなどでも大人気の「鳥獣戯画」だが、その「すべて」を一望できる貴重な機会だ。

国宝「鳥獣戯画 甲巻」(部分) 平安時代・12世紀 京都・高山寺蔵
「動く歩道」イメージ図
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44メートルの全場面

   「鳥獣戯画」は京都・高山寺蔵の国宝。12~13世紀ごろに制作されたとみられている。作者は不詳。サル、ウサギ、カエルなど多数の動物が擬人化されて登場する。世界的にも極めてユニークな絵巻だ。

   2009年から13年にかけて大規模な修理が行われ、そのお披露目展がその後、何度か開かれている。いずれも大盛況だった。今回は、鳥獣戯画の展覧会では初めて、「甲乙丙丁」全4巻合計44メートルを超す国宝の全場面が一挙に展観され、すべての情景を一度に見られるのが特徴だ。

   「動く歩道」はその中の「甲巻」の観覧コーナーに設けられる。自動で画面の前を右から左へと進む。観覧者は、何百年も前に描かれた物語を、時間軸をなぞりながらゆっくり味わうことができる。

   同展は混雑緩和のため事前予約制。詳しくは公式サイトで。

   会期は5月30日まで。月曜休館。ただし5月3日(月・祝)は開館する。

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