「生ジョッキ缶」まで転売 「酒類出品は違反か」メルカリ広報の答えは
「開けると泡があふれてくる」と話題の「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」。2021年4月6日にコンビニエンスストアで先行発売すると、瞬く間に人気が広がった。4月8日には「販売好調により商品供給が追い付かず、一時出荷停止」になった。
ツイッターユーザーの中には、フリマアプリの「メルカリ」に生ジョッキ缶が出品されているのを見て驚き、違法なのではと受け止める人もいる。ビールなど「酒類」を出品しても問題はないのか。メルカリ(東京都港区)に取材し、考えを聞いた。
「自分で使う目的で買った」なら違反にならない
メルカリ広報によると、酒類は「条件によっては問題なく出品できる」。判断基準とは以下の通りだ。
・違反
酒税法による酒類販売業の免許を受けずに、継続的に酒類を出品する行為
・違反にならない
出品者が自ら飲用する目的で購入した又は他者から譲り受けた酒類のうち、家庭で不要になった酒類
つまり、「自分が飲むために購入したが、何らかの事情でそうできなくなった物」=「もともと、自分で使う目的で買った」物であれば出品してもよいという。
「例えば、『同一のユーザーが同じ商品を連続で10個出品する』など、初めから卸目的で購入したと考えられるときは、出品キャンセルや利用制限などの対応を取る場合があります。AI(人工知能)と人間の目、両方で判断しています」(広報担当者)
同じ酒類でも「禁止出品物」に当たるものも
メルカリが現在、「禁止出品物」に定めている酒類もある。スピリッツ、ジン、ラム、ウオツカなど、アルコール濃度が高い酒類(ウイスキー、ブランデーを除く)だ。新型コロナウイルスが影響している。「緊急事態において、生命身体の安全や健康の維持に関わる必需品であり、できるだけ早く多くの人に届けることが求められるが、供給が著しく不足している商品」と位置づけているためだ。
ただ「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」など、高濃度アルコールにあたらない「嗜好品」である酒類は、前述した「違反にならない」物であれば出品しても問題なく、さらに定価ではない値がつけられている場合でも制限をかける動きはとらない。
広報担当者は「もちろん『高額転売』を良しとしているわけではない」としつつ、売り手、買い手共に多様な価値観を持っている人がいることや、出品者には送料や「購買の手間」もかかっていることなどを踏まえると、「全て原価で出品するようにと取り決めることは難しい」と話す。