社内メール「敬称」正解を求めて 「さん」「様」「部長」...新入社員必見マナー

   「○○様」。他部署の先輩から、「様」付けでメールを受け取った。社内で会話を交わすときは「○○さん」と呼び合う仲なのに。

   社内の人にメールを送るとき、宛名にはどんな敬称をつけるのが適切か。

社内の人間にメールを送るとき、「さん」付け?「様」付け?
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「様が付いていないけど?」言われ

   J-CASTトレンドは2021年3月25日から4月1日まで、公式ツイッターでアンケートを実施した。選択肢は以下の4項目で、33件の回答が集まった。

1.誰が相手でも「さん」
2.相手や場合によって「さん」と「様」を使い分け
3.誰が相手でも「様」
4.「○○部長」など役職(肩書き)を付ける

   「1」と回答したのは11人。理由は「身内だから」をはじめ、「入社時からそれが普通だった」や、社のトップに「自分に『様』をつけるのは不要と言われたので、他の社員に『様』とつけるのも、と思って『さん』になった」人もいる。社内メールでは原則「さん」とするよう、通達が出ている会社もあるようだ。

   「2」は1人のみだった。自部署内は部門長が「さん」呼びを推奨しているので「さん」だが、他部署社員宛には何となく「様」にしているという。「相手からも『様』で来ることが多い」ためだ。

   「3」は10人。「相手によって変える手間や気を使う必要、間違いがなくなる」「上手く使い分けているつもりでも、ちょっとした時に間違える可能性を排除したい」など、「様」と付けるべき相手に「さん」としてしまうミスを防ぎたいと考えているようだ。かつて、肩書きを付けてメールを送っていたら、相手から「様が付いていないけど?」と指摘されたため、様付けに変えた人もいる。

   「4」と答えた人は2人だったが、「1と4のミックス」「基本4で必要に応じて2」「役職が明確ならば4、不明なら3」など、他の選択肢と合わせて回答した人は9人いた。相手が役職者か、面識があるかなど、さまざまな条件によって使い分けているようだ。

「社内ルール」と「相手基準」で考える

   アンケートの結果は、比較的分かれた。そこでプロは、新入社員たちに対応法をどう教えているのか聞いた。

   リクルートマネジメントソリューションズ(東京都品川区)で新入社員・若手社員の研究・研修開発を行う主任研究員の桑原正義さん、研究員・小松苑子さんに取材すると「社内メールの宛名の表記方法に、社会や世の中共通でのルールはない」としつつ、考えるべき2つのポイントをあげた。

1. 社内・職場内のルールを理解する
2.「相手基準」で考える

   「1」の「社内・職場内のルール」は、会社ごとはもちろん、場合によっては組織ごとに違うケースもある。それぞれの取り決めを理解するのが大事だが、「ルールとして明文化されているケースは少なく仕事をしながら自然に覚える場合が多い」という。

   最もよいのは、「人事担当や自分の上司や先輩社員に聞くこと」。ただ、同じ職場でも人によって違うケースもある。その場合、「最も丁寧にしている人の方法から始める」ことを勧めるが、「○○様」、もしくは「○○部長」などの肩書きをつけることを基本として考えて問題ないという。その後、相手との関係性によっては「さん」などの表現を取り入れていくなど、経験をふまえて対応していくのが一般的とのことだ。

   「2」の「相手基準」はメールに限らず、ビジネスマナーの基本として考えることだという。相手基準になっていない例として、

・目上の人間に対し、誤って「殿」を使ってしまう「日本語の誤用」で不快感を与える
・時世的に「ちゃん」「くん」などは、相手によっては不快に感じる

が挙げられる。後者は「ともするとハラスメントにまで発展する可能性がある」。

   逆に、相手基準になっている例としては、

・「さん」が通例の社内でのやりとりでも、相手が「様」と使ってきたら返信時には相手に「様」を使うようにする
・逆に当人同士の関係性によっては、「様」とすることで寂しい思いをさせるので「さん」を使ったりする

がある。いずれにせよ、「柔軟に相手の期待・基準を察知し対応していくことが望ましい」。

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