ユーハイム「バームクーヘン」をAIが焼き上げるイベント スタートセレモニーで語られた「期待」
製菓会社のユーハイム(兵庫県神戸市)は、バームクーヘン焼成AI ロボット「THEO」を活用したイベント「EXPERIENCE THEO WORLD」のスタートセレモニーを、2021年3月1日にオンラインで開催した。
イベントでは、同社代表取締役社長の河本英雄氏、鉄道会館代表取締役社長の平野邦彦氏、avatarin代表取締役CEOの深堀昂氏によるトークセッションが行われた。
職人と同じレベルのバームクーヘンを焼きあげる
「EXPERIENCE THEO WORLD」は、2021年3月1日~7日にJR 東京駅「グランスタ東京」のイベントスペース「スクエア ゼロ」と表参道のパティスリー「ミシャラク」で開催。平野邦彦氏はセレモニーで
「全国の鉄道路線の起点となっているこの場(スクエア ゼロ)から、THEOのような新しい取り組み、新しいお菓子の文化を日本全国に、場合によっては世界にまで発信したいと思います」
と意気込みを語った。
イベントは、AIを搭載したバームクーヘン専用オーブン「THEO」が作るバウムクーヘンの販売や、全国のバウムクーヘンに出会える出張版「バウムクーヘン博覧会」など盛りだくさんの内容だ。直接来店せず、店内のアバターロボットを自宅から操作して、ロボットが映し出す店内を見ながらショッピングできる新たな販売スタイルも導入される。
イベントの目玉となる「THEO」は、職人が焼く生地の焼き具合を、各層ごとに画像センサーで解析することでデータ化できる。そして、最終的には職人と同じレベルのバームクーヘンを焼きあげる。ロボット工学の研究者、AIの専門家などが協力し、5年の歳月をかけて20年に誕生した。河本英雄氏は「THEOは職人と一緒に働くロボということを標榜しています。というのも、バームクーヘンは焼き半分、生地半分といわれていて、AIが習得できる技術は焼きの部分だけ」と説明した。
THEOをたくさんの職人さんに使ってもらえるロボットにしていきたい
スタートセレモニーでは、今後の展望についても語られた。河本氏は
「このイベントをスタートとして、これからTHEOをたくさんの職人さんに使ってもらえるロボットにしていきたいと思っています。同時に職人さんがTHEOを使うことで、職人さん同士をつなぎ、ネットワークをさらに広げていきたい」
とした。
今後さらに実装実験の場を広げていく予定だ。実際に21年3月4日からは、名古屋の食の未来をテーマにした複合施設「BAUM HAUS」で3台実装されている。
また、店での展開だけでなく、バームクーヘン博覧会などのイベント参加や、THEOのさらなる技術向上も目指す。近い将来、世界の様々な場所でバームクーヘンが食べられるようになるかもしれない。