「天皇誕生日」世代で異なるイメージ 「昭和の日」「文化の日」も昔は

   2021年2月23日は「天皇誕生日」。令和の天皇陛下が生まれた日を祝う国民の祝日だ。本来なら、皇居で一般参賀や記帳が行われ、大勢の人でにぎわうのだが、今年もまた、新型コロナの影響で静かな一日になりそうだ。

2020年1月は一般参賀が行われた
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昭和は4月29日、平成は12月23日

   宮内庁はすでに1月18日に「天皇誕生日一般参賀の取りやめ」を発表している。

「令和3年2月23日の天皇誕生日一般参賀については,新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から,午前のお出まし,午後の記帳いずれも行わないこととしました」

   昨年の「天皇誕生日」も、一般参賀は、新型コロナウイルスの感染拡大の防止のために中止となった。2年連続でコロナの影響を受けている。

   昨年は、直前まで一般参賀が予定されていたが、宮内庁は2月17日になって、23日の一般参賀を中止すると発表した。今年は緊急事態宣言もあって早めの発表となった。すでに新年の一般参賀も中止になっている。

   戦後の「天皇誕生日」は、1948年制定の国民の祝日に関する法律に基づいている。「天皇の誕生日を祝う」ことを趣旨とし、1988(昭和63)年までは4月29日、1989(平成元)年から2018(平成30)年までは12月23日だった。

   令和の「2月23日」は、2017年6月に成立した「退位を実現する特例法」に含まれる形で祝日法が改正され、新しく祝日になった。「天皇誕生日」は自動的に移動・変更されるわけではない。長く定着していた日が替わるため、 世代によって受け止め方やイメージも異なってくる。

大正天皇とクリスマスの関係

   「天皇誕生日」は、かつては「天長節」と呼ばれた。1873(明治6)年に日本の祝日として制定された。明治天皇の誕生日である11月3日は、その後「明治節」を経て戦後は「文化の日」に、昭和天皇の誕生日の4月29日も、「みどりの日」を経て現在は「昭和の日」として祝日が続いている。

   気になるのは平成の「天皇誕生日」のその後だ。現在の上皇さまの誕生日でもあるが、2019年以降、12月23日は平日になっている。

   これについて、2020年2月21日の朝日新聞のウェブサイトは「歴代天皇の誕生日は祝日?平日?」というQ&Aで取り上げている。「今回は上皇さまが在位中であることなどから祝日にはなっていない」と解説している。

   2019年12月24日の東京新聞は、12月23日が将来は「平成の日」という祝日になる可能性を示唆しつつ、大正時代は、大正天皇の誕生日の8月31が盛夏期であることから10月31日を祝日としていたが、現在は残っていないことなども紹介している。

   なお、大正天皇とクリスマスの関係はしばしば指摘されている。崩御日の12月25日は1927年から47年まで休日とされていた。ちょうどクリスマスと重なり、日本におけるクリスマスの定着の一因になったのだという。平成の「12月23日」もクリスマスイブの前日ということで、祝祭気分が続き、関係者にとってはありがたい祝日になっていた。

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