Clubhouseもう「疲れた」続出 実名で気を遣う、断れない、意識高くて居づらい
急速に話題を集めている音声SNSの「Clubhouse(クラブハウス)」。アプリ内の「ルーム」に入って他人の話を聞けるだけでなく、「挙手」ボタンを押して許可されれば会話に参加もできる。
ツイッターには「著名人と話せた!」「友人ができた!」と喜ぶ声の一方、利用し始めて数日で「疲れた」「聞いているだけなのに消耗する」との意見も。
知らない相手ばかり、抜けられず神経すり減らす
まず見つかるのは、「時間」にまつわる嘆きだ。「めっちゃ時間食われる」というツイートをはじめ、やめどきがなくて聞き続けてしまう、睡眠時間を削ってしまう人が多いようだ。「楽しいからこそメリハリが大事」と自分に言い聞かせるようなつぶやきもある。「相手の都合で時間縛られる感覚が苦手」だと感じる人も。
また、原則として「実名」で利用するため、気を遣う場面が少なくないのも「疲れ」に繋がっていると思われる。中には「むげに出来ない知り合い同士で繋がる」がゆえに、挙手ボタンを押されたら断りづらい、ルームに誰かが来たときに気付かないふりができず「その人も会話に入れてあげなければ」と考えてしまう、聞き手に徹したくても「話に参加して」と依頼されたら断りづらい、という悩みを挙げている人がいる。
しかも、互いに「実名」でルームに入るものの、知らない相手ばかり...という環境自体に慣れるのが難しく、「挨拶や喋るタイミング、部屋を抜ける時」を見計らいすぎて神経をすり減らしている人までいた。気楽に聞ける話や雑談を探しているのに、真剣に議論を交わしたり、ノウハウや知識を共有したりすることを目的とした「意識の高い」集まりが目立ち、居づらさを感じている層も存在する。
「Clubhouse」を使うには、既存ユーザーもしくは公式からの招待を待つ必要があるため、「招待待ち」の状況に疲れる人も出て来ている。「招待」をめぐっては、フリマアプリ「メルカリ」で枠を数千円で販売する例が横行したり、SNS上で「Clubhouseに招待された」「Clubhouse始めました」と喜んで報告したりと、話題に事欠かない。
コロナで難しい「友人との語らい」や「出会い」容易に
それでも、コロナ禍で得るのが難しくなった「友人との語らいの時間」や「新しい出会いの場」を確保できるツールとして有用に活用する人は少なくない。
社会学者・古市憲寿さんは2021年2月2日、ツイッターで「Clubhouse」の楽しさについて「新型コロナが流行してない世界線に行ったみたいな気分が味わえる」点を挙げている。
「友達や、新しく出会う人と、時には大人数で朝まで喋り続けることができる。もうそんな日は来ないか、ずっとずっと先だと思っていたのに」
ロックバンド・凛として時雨のドラマー、ピエール中野さんは2月4日、「Clubhouse」について「あらためてものすごいSNS」とツイート。毎朝立ち上げているルーム内で起きた出来事を「幻冬舎の見城さん(編注:幻冬舎の代表取締役社長・見城徹氏)から尾崎豊の話を聞くという超展開。海老蔵さんもオーディエンスで聴いてくれていて」とつづった。