太宰治や三島由紀夫らの知られざる逸話 「炎上案件 明治/大正 ドロドロ文豪史」

   集英社インターナショナルは、『炎上案件 明治/対象 ドロドロ文豪史』を、2021年1月26日に発売した。

ドロドロが文学を輝かせる
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文豪の本質、作品の魅力が明らかに

   不倫、DV、地を這う自己肯定感、中二病。現代なら間違いなく炎上しているであろう、文豪たちのドロドロとした話が読める。「太宰治の恨み」「三島由紀夫のコンプレックス」「石川啄木の金」など、彼らが悶え苦しんだエピソードを紹介。

   名作誕生の裏に存在する逸話から文豪の本質が明らかとなり、作品本来の魅力もわかるようになる。個人個人のエピソードに留まらず、第5章の題材である与謝野晶子は第6章に、第9章の松岡譲は14章に、それぞれ意外な形で出てくる。こうした文豪同士の交流や予想外の横顔なども、楽しみの一つだ。

   森鴎外の「瑕瑾(かきん)」や北原白秋の「謬(あやま)る」など、文豪それぞれの「炎上キーワード」を掘り下げる。

   その言葉を使うしかなかった彼らの人生の一時期を解説しながら、明治・大正文学の名作が誕生した時代背景も綿密に語る。文豪たちの知られざる一面を垣間見る事で、文学がより面白くなるという。

   著者の山口謠司さんは『日本語を作った男 上田万年とその時代』で第29回和辻哲郎文化賞受賞。

   価格は1600円(税抜)。

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