「2021年バレンタインのトレンド」どうなる ショコラティエの調査で分かったコト
新型コロナウイルス禍の中のバレンタインは、どのように変化するだろうか――。リサーチやマーケティングを手がける「ネオマーケティング(東京都渋谷区)」は「2021年バレンタインのトレンド」をテーマに、ショコラティエ(チョコレートを使った菓子作りの職人)30人に対してヒアリング調査を行った。
キーワードに「素材へのこだわり」や「おうち時間」
まず「2021年のバレンタインチョコレートのキーワード」は何か、ショコラティエに聞いた。すると「オーガニック」や「カカオと素材にこだわったショコラ」といった素材へのこだわりに関する言葉とともに、「おうち時間を意識した、大人も子どもも家族で楽しめるボンボンショコラ」「STAY HOME、おうちで楽しむ」など、「おうち時間」に関するキーワードが目立った。
また、2021年のバレンタインで使用する素材やチョコレートの種類について聞いたところ、「オーガニック素材のカカオ」や「脂質や糖質をおさえたローカロリーのチョコレート」など、4割のショコラティエが「健康」を意識した回答をした。
さらに、「健康を気づかってチョコレートを選ぶ人が増えていると思いますか」という質問に対し、「増えている」と答えたショコラティエは43.3%。「増えていない」とした人の割合(33.3%)を上回った。
なぜ「増えている」と感じたか理由を聞くと、「『健康に良いから』とカカオのパーセンテージが高い商品をとご要望され、高カカオ商品をご紹介することが増えました」「年々カカオ量が多いチョコレートの売り上げが上がっているように思います」といった声が上がった。健康を意識してチョコレートを選ぶ人は、カカオの含有量に関心があるようだ。
また、コロナ禍で消費者のチョコレートの選び方に変化があったかという質問には、56.7%が「変化がある」と回答している。
どのような変化があったか聞くと、「高カカオのチョコレートを選ばれるお客さまが増えた」「自宅用に購入される方が2019年に比べると増えたと思います。外出ができない分おうちで丁寧な暮らしをしたい方に購入していただいていると思います」「WEBでの購入が増えました」など、やはり高カカオや「おうち時間」に関連した意見が出た。
(中見出し)気になるチョコレートと「健康」
調査では、健康にまつわる話が多かった。特に調査でショコラティエからあがっていた高カカオチョコレートの健康効果については、愛知県蒲郡市と食品会社の明治、そして愛知学院大学が研究し、その結果を発表している。
それによれば、カカオポリフェノールを多く含む高カカオチョコレートの摂取により、アルツハイマー型認知症や記憶・学習といった認知機能との関連性が報告されている「BDNF(脳由来神経栄養因子)」が増えることがわかったという。BNDFとは、神経細胞の発生や成長を促進させる「神経栄養因子」の一種だ。
ほかにも摂取前後で「血圧が低下する」「HDLコレステロール(善玉)が上昇する」「体重・BMIの増加は認められなかった」といった内容が報告されている。
今年のバレンタインは、チョコレートが単に菓子やデザート素材にとどまらず、健康面からも注目され評価される傾向がさらに強まりそうだ。