コロナのせいで結婚ためらう デートできず同棲にも踏み切れず「気持ち冷めそう」
2020年の婚姻数は、前年と比べて10%以上少なかった。厚生労働省の人口動態統計(速報値)を見ると、同年1~10月は42万4343件。前年同期は48万9301だった。
産経新聞(電子版)は1月17日付記事で、「コロナ禍『結婚危機』深刻」と題してこの数字を引用。「11、12月も同様であれば、昨年は戦後最悪の昭和25年に次ぐ下落幅となる」と伝えた。記事では、政府の少子化対策担当者が、「新型コロナの影響で結婚につながる出会いが少なく、結婚式も行いにくい状況があるのでは」と分析している。これを受け女性向けウェブ掲示板「ガールズちゃんねる」では、コロナ禍で交際、結婚する難しさが議論されている。
「八方塞がりです」
トピックには、先行きの不透明さや、収入減を理由に「不安で家族を持てない」人、新型コロナウイルスにかからないように必死で「結婚どころじゃない」人など、さまざまな意見が寄せられている。昨年中に入籍する予定だったのに、地方に住む家族への挨拶や両家の顔合わせが難しく、話が進まないとのケースも。
J-CASTトレンドは、昨年10月に交際開始した恋人と「会う機会が激減し、仲が進展しない」と悩む30代女性に取材した。埼玉県在住で、相手は東京都内に住んでいるという。出会ったのは「20年3月末の、緊急事態宣言が発令される寸前」。当初からなかなか会う機会がなかった。半年かかってようやく交際に至ったが、互いに外出自粛をしておりクリスマスや年末年始も直接顔を合わせられず、最後に会ってから一か月以上が経つという。
「毎日連絡は取り合っていますが、会えないので気持ちが冷めてしまいそうです。ただこんな状況で、次の恋人を見つけられる自信がありません」
結婚を諦めるまではいかないにしても、同棲するほど仲も深まっていない。「八方塞がりです」と女性は嘆く。「電話やオンライン飲み会で交流を図るのにも限度がある」。
在宅勤務になったおかげで会う機会増
「おかげさまで」と、結婚へ向けて順調に事が運んでいるのは、都内在住の20代女性だ。20年9月に出会って10月に交際し、11月から半同棲。今年2月には同棲を予定している。もともと互いの家が近いこと、恋人が「テレワークOK」の職業のため、女性の家に仕事場を移して生活するようになったことが大きかったという。地方に住んでいる相手の家族には、「先日リモートで挨拶をした」そうだ。
「相手はすごく多忙なので、在宅勤務でなかったら会う機会がなかなかなかったかもしれません。交際前の9月、10月あたりに緊急事態宣言が出ていたら、ここまで短期間で進展していなかったのではと思います。コロナ禍で、さらにタイミングが良かったことに後押しされました」
この女性には、「2年ほど付き合って、最近結婚した」知り合いがいるそうだ。
「ガールズちゃんねる」にも、「相手が既にいた人はこれを機に結婚してそうだよね。これから出逢おうとしてる人には難しくて厳しい時代」と分析している人がいる。