声優・高山みなみ、田中敦子、水田わさびが共演 『戦争は女の顔をしていない』朗読PV公開
株式会社KADOKAWAは、ノーベル文学賞作家スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチの名著のコミック版『戦争は女の顔をしていない』第2巻を2020年12月26日に発売する。
刊行を記念して、声優の高山みなみさん、田中敦子さん、水田わさびさんらが出演する朗読PVを25日に公開した。
2015年にノーベル文学賞
コミック版『戦争は女の顔をしていない』は第1巻が発売1か月で10万部を突破(電子含む)、一部書店で売上ランキング1位を獲得、新聞・雑誌など多数のメディアに取り上げられた。今巻はその待望の続編となる。
原作は、2015年にノーベル文学賞を受賞したベラルーシ出身のジャーナリスト、アレクシエーヴィチが1984年に発表した作品。500人以上の独ソ戦従軍女性を取材、その内容を『戦争は女の顔をしていない』としてまとめたもの。
日本でのコミック版は、「狼と香辛料」シリーズの小梅けいが作画、旧ソ連事情に詳しい速水螺旋人が監修、 2019年からWEB上で連載を開始、 2020年1月に第1巻が発売された。
ノーベル文学賞作家のノンフィクションの漫画化という異例の取り組みが注目され、これまでにBuzzFeed Japan、読売新聞、毎日新聞、北海道新聞、しんぶん赤旗、週刊東洋経済、朝日新聞、サンデー毎日、朝日中高生新聞、婦人公論、週刊朝日、東京新聞、共同通信、日経エンタテインメント!、「このマンガがすごい!2021」など多数のメディアで取り上げられた。
人気声優が熱演
今回の朗読PVでは第1巻のラストを飾る7話のエピソードが取り上げられている。
・カメラ越しに戦場を見つめた書記・ヴィレンスカヤ軍曹・・・田中敦子
・ソ連初の女性機関士として戦場を駆け抜けたアレストワ機関士・・・高山みなみ
・「戦争で一番恐ろしかったこと」を語る射撃手のアフメートワ二等兵・・・水田わさび
人気声優がそれぞれの視点で「戦争」を語る三人の女性たちを熱演している。第2巻では、アレクシエーヴィチ自身がなぜ女性たちの証言をまとめて本を作ろうと思い至ったのか、その経緯も語られている。
ヒトラーのドイツが1941年6月、不可侵条約を破棄してソ連に攻め込んで始まった独ソ戦は、ソ連の犠牲者が約2700万人。半数近くが戦闘員で、他は非戦闘員。ドイツはソ連以外の戦線も含めた数字で戦闘員が531万人、民間人が300万人と言われ、第二次世界大戦の最大の戦闘となった。
新資料などをもとに、その実態を詳細に描いた大木毅著『独ソ戦』(岩波新書)は「新書大賞2020」に選ばれている。『なぜ必敗の戦争を始めたのか』(半藤一利編著、2019年、文春新書)、『帝国軍人』 (戸高一成 、大木毅著、2020年、角川新書)などでは、日本が太平洋戦争に突入した要因には、対ソ戦でのドイツの勝利を確信していたことがあったと指摘されている。