東京ヴェルディのマスコット「引退」 チーム支え続けた末の別れは繰り返される
サッカーJリーグ・J2「東京ヴェルディ」のメインマスコット「ヴェルディ君」が、勇退する。1993年のJリーグ発足以来、長らくマスコットを務めてきた。一方で、Jリーグの「マスコット総選挙」の投票結果では19年が46位、20年が49位と人気低迷が続いていた。
ツイッター上のファンからは「リストラ」とみる向きや、悲しむ声が広がっている。国内のプロスポーツでは、歴史の長いプロ野球で過去にマスコットの引退劇が何度も起きていた。
「会社が買収されるとリストラされちゃうのか」
東京ヤクルトスワローズのマスコットとして2005年に登場した「燕(えん)太郎」が、14年に引退した。13年12月5日付のサンケイスポーツ電子版は引退の意向について、球団の新規ファン獲得のため、燕太郎は「『役目を終えた』と身を引く決意をした」と伝えている。
14年5月6日付のスポニチアネックスによると、神宮外苑で行われた5月5日の「燕太郎サヨナライベント」には500人のファンが参加。大々的に送り出されたようだ。
燕太郎よりもさらに長い間親しまれたのが、「横浜ベイスターズ」のマスコットで、星型の顔をした「ホッシー」だ。1992年に「横浜大洋ホエールズ」から「横浜ベイスターズ」へと改称した際に誕生した。
ところが2011年オフに、親会社がTBSホールディングスからDeNAに変更。球団名も「横浜DeNAベイスターズ」になった。ユニホームや球団旗を一新したが、「ホッシー」も12年3月18日に卒業した。新たなマスコットとしては「DB.スターマン」が就任した。
引退セレモニーは球場でしっかりと行われた。しかし、卒業前後の当時のファンのツイートを見ると「ホッシーを引退させるDeNAひどい」「会社が買収されるとリストラされちゃうのか」と、球団がリニューアルしてすぐに引退となったホッシーを惜しむ声がみられた。
ヴェルディ君は「勇退セレモニー」実施
親会社が変わった例で引退となったマスコットは、他にもいる。2004年まで存在した「大阪近鉄バファローズ」のバフィリードだ。球団が「オリックス・ブルーウェーブ」と合併したことで引退する形となった。記者が調べたところ、引退セレモニーが行われたという情報は見当たらなかった。
Jリーグでは、発足時に加盟していた10チームのうち、1998年にチーム自体が解散した横浜フリューゲルスの「とび丸」を除き、マスコットが表舞台から消えるのは今回のヴェルディ君が初となる。「勇退セレモニー」は、12月20日に行われる。